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イタリアで報じられた新元号「Reiwa」

新元号が発表になり、世界で日本の文化が報道された。
では、イタリアではどのように見ているのだろうか。


イタリアにエイプリルフールはない

4月1日をエイプリルフールという文化ではなく、"Pesce d'aprile" 「4月の魚」と呼び、冗談で笑う日になる。かわいいものだと、紙に魚の絵を描き、それを気付かれないように友だちの背中に貼るというもの。なぜ魚かというと、理由は諸説あり魚座の周期というのもその一つ。

もちろん、外国から伝わった冗談として明らかな嘘をsnsに投稿する人もいるが、多くは「いいね!」を獲得するほどではない話題。


極東の謎めいた文化

そんな傍で、日本の新元号についてメディアで取り上げられた。
一昔前なら、知る人ぞ知るという程度の皇室文化。私もイタリアで何度となく皇室について話題を振られたことがある。現代も続く天皇制についてや、昭和天皇を題材とした映画を見た感想、和暦のことなど。

しかし、今回の新元号発表は世界の出来事として、
極東の謎に満ちた日本の文化を報じるように伝えられた。


実際にイタリアで報じられた記事はこちら

・日本最古のポエムの一部からつけられた名
・日本の天皇制
・考え方の違い

などが綴られている。
このあたりにおいては、日本と変わらない報道と言える。



天皇陛下とローマ教皇

報道はされても、彼らにとってこの文化を理解することができるのだろうか。隣にいる夫に聴いてみると、ニュースの意味は分かったらしい。しかし、実際に年の称号が二つあることにヘェ〜と言っていた。
分かりやすく伝えるために、これをローマ教皇の信任した年号と例えるとしっくりきたようだ。現在のフランチェスコ教皇は5年目だから"F5" 付けるとしたら「あっ、Fの時代ね!」という彼らにも理解できる。

ちなみに、ローマ教皇も日本の天皇制のように、死を迎えるその日まで務めるもの。その後は、コンクラーベという世界史の授業で習った、ヴァチカンの教皇選出方法によって一人を決める。これは、イタリア人に限らず、世界のカトリック教徒の中から選ばれる。

しかし、前回のローマ教皇であるヴェネディクト16世は、高齢の理由などにより退位を決めた。異例の行動に街は複雑な気持ちを抱いた人もいた。ドイツ出身の教皇だっただけに、ドイツ人から「全うすべきだ!情けない!」と批判が飛んだことも事実。それほど、権威ある地位をみずから退くことに理解してもらえなかったようだ。


日本の歴史が変わる瞬間

日本に再び目を向けて見ると、今回の今上天皇のご決意は、同じような理由と言えよう。ご高齢を労わる心も私たちは持つべきであり、継承できる程の立派な皇太子さんがいらっしゃることに不安はない。

今上天皇には、最後の暇で無事に過ごされることを祈りつつ、
これまで通り続けてこられたご自身のご活動や研究に専念いただきたいと
心から願うばかり。






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