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【イタリア】飲食店は再びコロナ恐怖へ


2020年10月13日(火) イタリアのコンテ首相は記者会見を開いた。

ここ1週間で、急激に一日の感染者数が約5000人を越えている。
直ちに食い止めるために手を打とうとしている。

これを受け、街や飲食業界には不穏な空気をもたらしている。
会う人会う人がこの話題に触れ、
再び襲ってくるかもしれない不況に前進しつつも
内心は恐怖で震えているのが波動として伝わってくる。


首相が発表した内容が、Newsweeksに掲載されていたので引用すると、

[ローマ 13日 ロイター] - イタリアのコンテ首相は13日、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、集会、レストラン、スポーツ、学校活動に対する新たな制限措置を発表した。

政府が制限強化を発表するのはこの1週間で2回目だが、英国やスペインなど他の欧州諸国に比べると内容は緩やか。レストラン、クラブ、屋外でのパーティーを禁止し、自宅でのパーティーや6人以上が参加する会を開かないよう強く勧告した。
新たな措置は24時間以内に施行され、30日間続く。
保健当局によると、イタリア国内の新型コロナ新規感染者は過去24時間で5901人となり、3月下旬以降で最多になった。死者は41人だった。



政府が制限強化を発表した1回目の内容は以下の通り。
春時期同様に在イタリア日本国大使館からメールが届いた。

●報道によれば、本日新たな緊急政令が閣議決定され、以下のことが規定されているとのことです。
・屋外等でのマスク着用義務。
・緊急事態宣言を2021年1月31日まで延長。
・現在有効な首相令を10月15日まで延長。
●マスク着用義務は明日8日に有効になるとのことですので、外出時にはご注意ください。
(参考)マスク着用義務(現時点での報道取りまとめ)
【屋外】継続して(同居者ではない)他人から隔離された状態が保障される場合を除き,屋外のあらゆる場所でマスクの着用が義務づけられる。
【屋内】私的住居を除く,屋内のあらゆる場所でもマスクの着用が義務となる。一人で,あるいは同居者と自家用車で移動する場合,着用は義務づけられないが,タクシーや友人等同居者でない者と車で移動する場合はマスク着用が義務づけられる。
【例外】スポーツ活動中,6歳以下の子供,マスク着用に適さない疾患や障害を持つ者。
【罰金】罰金は400ユーロから1000ユーロ。

続いて、保健省の命令を翻訳したものも送られてきた。

10月7日、新たな保健省命令が官報に掲載されました。本命令では、イタリアに入国しようとする者であって、かつ、イタリア入国に先立つ14日間に、ベルギー,フランス,オランダ,英国,チェコ,スペインで滞在または乗り換えを行った者対して、a)搭乗の際にスワブ検体による検査の陰性結果を提示するか、又は、b)イタリア到着時に、あるいはイタリア到着から48時間以内に指定の地域保健所において、スワブ検体による検査を受ける義務が課されること等が規定されております。


私の住んでいる街は、人口16万人の小さい地方だが、
毎日の感染者数は増え続け、20人を超え続けている。
対ウイルス生活に慣れ、油断しているところに
魔の波が再び押し寄せている。



Sushiレストランの状況


私は、街の日本食レストランで働いている。
地元民に親しまれた10年以上経つ店で、
メニューは日本料理だけを扱うこだわりを持っている。

毎週土曜日になると、120人を越えることは当たり前だ。
しかし、9月半ば以降それはなくなった。
平日の来客数も減っており、
閉店時間までも自動的に前倒し状態にある。


そんな中、政府の措置が発表されて、
近隣の飲食店で働く人たちは不安を漏らしていた。

今回の措置での飲食サービス業への対応は、

テーブル席での飲食につき24時まで、
着席しない飲食については21時まで許可される。

もちろん、これまで通り座席の距離を保つことや
消毒の徹底などは継続した上でのことだ。


私が働く店は、約150席を有する広い店舗。
内装は、和のイメージをもたらす造りで、
木をふんだんに使い、個室のような区切りがある。
これが、喜ばれているの大きな点だ。
このために、わざわざパーテーションを設置しなくても済んだのは、
日本の文化のおかげと言えるだろう。

今日の政府命令は、当店にはあまり影響を及ぼさない。
閉店時間が確定されるくらいだが、
大きな変化にはならない。
だがしかし、客足が遠のいていることは事実。
今度こそは、宅配のサービスや新メニュー作成など、
対処しなければならない。



悲鳴を上げている人・・・


一方で、近隣の店は対処法を模索している。

隣にはトラットリアがある。
レストランほど肩肘貼らない、大衆食堂と呼べるこぢんまりとした店。
ここは、5つのテーブルがあるのみ。

普段なら、夜遅くまで営業し、
立ち飲みで会話をしている人たちの姿もある。

だが、これからはそれはできない。
ただ店内で食事するだけの空間になる。


さらにその向かいにあるパブは、
日付をまたいだ24時を過ぎても人がごった返す店だ。
パブなので座席はわずかしかない。
表で立って飲みたい人が、次から次へと押し寄せる。
前の道は、片側一車線の決して狭くない通りだが、
週末には、黒山の人だかりとなる。
ここを車で通る際に、私はこの人混みを見て
「アリの大群」と呼んでいるほどウジャウジャしている。

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この写真では分かりにくいが、
ソーシャルディスタンスなんてない上に、
マスクさえしないのが当然のように話をしている。


これらの人々が、パブで飲み物を注文する。
店員らは、ただひたすらに次から次へとこなしていく。
ビール、グラスワイン、カクテルの他に、
この街の名物なもを提供しているのが重要な点だ。

それは、「ポンチェ」という飲み物。
エスプレッソコーヒーに、砂糖を加えスチーマーで攪拌。
そこにラム酒とレモンの皮のカケラで香りをつけた
小さなカップに入った食後酒。

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たくさん食べた後の消化を助ける飲み物として
また、寒い時期には、すぐに身体を温めてくれるので
とても重宝され続けている。


ということで、このパブは、
小さな店内に座席を増やし、座っている人たちだけにむけて
飲み物を提供するという事になる。

そして、21時以降は、外で立って飲むことができない。
表で仲間と過ごすのが好きな人には行き場がなくなるだろう。
さらには、この食後酒を、21時以降に飲まないの人なんてどこにいるのか。
そのために、夕飯は18時から始めなければ
ポンチェにありつけないという、本末転倒に陥る。

店側に意識を戻すと、彼らはこのポンチェを一杯€2で提供している。
一杯のワインも€4だとして換算しても、
一日の売り上げは微々たるものにしかならない。


これだけの規制を押し付けて、
政府は飲食店への補助はなし。
この他、娯楽施設は規模を小さくしてのみの開催で、
アマチュアのスポーツの試合や活動は全て禁止となった。
運営する彼らにも再び暗雲が立ち込めてきている。


怒りの根源


そもそも、この感染再拡大の原因は、
移動規制を許したことにあるのではないかと、
あちこちで疑問視されている。

夏のバカンス時期に、旅行者に補助金を出して
国内の移動を自由にした。
そして、近隣国も同様に国境を開いたことで、
ドッと国外ナンバーが増えた。
今となっては珍しい光景でもなくなっている。

実際に現在の感染者数の増加は、
春時期の北イタリアに集中していたのとは異なり、
イタリア国内の有名な各観光地で拡大している。

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春のコロナのダメージを受けた人は、
バカンスだなんて浮かれた想像なんてできなかった。
夏を近郊で過ごしグッと我慢した人たちが、
このウイルスを持った旅行者たちに憤りを覚えている。
私もその一人だ。


政府が斡旋した旅行への補助は、
今まさに凶となって国民を苦しめている。
一体どのように責任をとるつもりなのだろうか。

日本でも行われてる Go Toトラベルが
二の舞を演じないように祈るばかり。


苦しいけれど、終息を早めるためには、
今、我慢するしかないと私は思う。

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