あなたたちが大学でやってきたことは、ここでは役に立たない
この言葉を聞いてどう思うだろうか。
これは、自分が最初に入った会社の所長に言われた言葉だ。そして、自分が最も軽蔑する人の言葉だ。
真意は分からないが、好意的に解釈しようと思えばできる。ITエンジニアの仕事は常に学習が必要だ。大学でプログラミングを学んだとしても、数年もすれば錆び付いてしまう。
しかし、役に立たないはないだろう。そう考えていた。
実際はどうか。
役に立たなかった。
6年間勤めていたが、最後はただブラウザを操作してExcelスクリーンショットを取るだけの人になっていた。
精神もおかしくなっていて、会社から見たらただのお荷物だった。
退職してからの一年間は生ける屍だった。朝起きて食事をして寝るだけの生活。
「あなたたちが大学でやってきたことは、ここでは役に立たない」が正しかったのか。
いや、正しくない。
「ここでは役に立たない」のではなく「この会社では役に立たせない」だった。
環境が変われば、自分も変わった。だんだん人の役に立てるようになってきた。
自分は今43歳。まだまだやれることはたくさんある。しかし最近は自分だけでなく、他の人にどうやって力を発揮してもらうか、そう考える余裕が増えた。
他の人をどのように生かすか。その方法はまだ分からない。ただ、一つだけ決めていることがある。
それは、その人がこれまでやってきた経験、考え方を大事にすること。
やってきたことが何の役に立つかは分からない。何の役にも立たないかもしれない。
やってきたことがどこかで役に立つと信じて、日々最善を尽くすこと。それに勝る生き方はないと考えている。
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