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認知症の母と沖縄移住 03物件探し

物件の下見の日程を3月9日月曜日から17日火曜日までと設定し、その1週間前の3月2日から不動産屋に電話をかけ始めました。

物件情報ホームページ「うちなーないふ」に掲載されている物件には、取り扱い業者の連絡先も載っています。これはと目を付けたマンションから順に、第2候補と第3候補と対象を広げていったのですが。。。

なんと、絞り込んだ10件の物件のうち、9件までが先約で埋まっており、内覧すらできない状態でした。

現地の大手の不動産屋曰く、問い合わせの電話をかけてきた順に、内覧の案内をしているとのことでした。たとえ、こちらの内覧希望日がほかの希望者よりも早かったとしても、電話の先着者の内覧が終わるまでは、お鉢が回ってこないというのです。

さらに申し込みの権利も、内覧順、つまりは電話での予約順となるとのことでした。ようやく自分の番が回ってきたとしても、先に内覧した人が、こちらの内覧当日に「ここに決めました」と意思表示をすると、すべてが振り出しに戻ってしまうのだとか。

不動産探しって、そんなルールだったかなあ。それとも、これは沖縄のローカルルールなのだろうか。

電話口で呆然と説明を聞きながら、苦し紛れに質問を繰り出してみました。

内覧をすっ飛ばして、いきなり申し込みをすることはできませんかと。

電話口からは、どこか気の毒そうな、どこか困ったような口調が聞こえてきました。

何とか1件だけは内覧の予約が取れましたが、すでに何人かが内覧を済ませているので、その人が意思表示をした途端に、内覧先はゼロになってしまいます。

これはぼんやりとはしていられません。3月9日からの下見の予定を、3日後の3月5日からに早めて臨戦態勢を取りました。

一刻も早く内覧を済ませて、申し込みに漕ぎ着けないと、目標としていた5月上旬の移住が揺らいでしまいます。

が、まさかというか、やはりというか、翌3日には不動産屋さんから、困ったような声で電話がかかってきてしまいました。すでに内覧を済ませた人から申し込みがあったと……。

うちなーないふに掲載されている希望物件10件は、全滅となりました。中には、すでに申し込みがあって、そもそも問い合わせには応じていないというところまでありました。掲載物件=空き物件というわけではなかったのです。

社会人になって引っ越しは、10回以上、経験していましたが、こんなに苦戦したことはありませんでした。内覧する物件すらないなんて。

よく考えてみれば、会社員時代は、会社が契約している不動産会社が、こちらの希望を聞き取って、該当する物件のリストを4、5件用意してくれて、その中から内覧先を選ぶという、なんとものんびりしたものでした。

サラリーマンというのはつくづく、会社に手厚く守られた身分だなと、今にして、会社の偉大さを思い知った気分です。

春は、不動産が最も活発に動く時期なのに、3月から動き出して間に合うんか?

義父の言葉が脳裏をよぎります。

2月から開始しないと間に合わないのではないか。義父からはそんな助言を受けていたのですが、軽〜く受け流していたのです。

かくなる上は、内覧予約なしで、いきなり沖縄に乗り込んで、現地の不動産屋を一軒一軒回って、うちなーないふに掲載されていない物件を探し出すしかない。

タブレットで、うちなーないふのページを睨みながら、そう決意を固めた、まさにその瞬間でした。うちなーないふの画面が突如、繰り下がりました。新物件が入ったのです。2LDK、5階以上、最上階ではない、バスタブ付き、6万円台、しかも築5年以内……。

第一希望にも勝るとも劣らぬ好条件です。

まさに天の助け!

即座に電話を取ると、まだ、誰も内覧希望者はいないということでした。夢の一番乗り。

心を弾ませながら電話を切ったところで、急に不安が押し寄せてきました。内覧順が1番であっても、横からかっさらわれる可能性もあるのではないか。現地の大手の不動産屋とは、ルールが違う可能性もある。

すぐに電話をかけ直したところ、ここの不動産会社が扱っている物件では、内覧前の申し込みも受け付けているとのこと。やはり……不動産の申し込みルールは、会社によって違っていたのです。

すぐに妻を電話口に呼び、物件の写真を見てもらい、快諾を得て、その場で電話を使って申し込みを済ませました。

申し込みをしてから内覧と、順番がすっかり逆になってしまいましたが、順番がうんぬんと理屈をこねている場合ではありません。取り敢えず、内覧物件を押さえ、5月引っ越しに向けて保険をかけることができただけでも御の字です。ほっと胸を撫で下ろしました。

その数分後、私が問い合わせした物件は、うちなーないふのページから綺麗さっぱり消えていました。私がお願いした不動産屋さんは、申し込みがあった時点で、問い合わせ不能になった物件はすぐに削除する手続きを取っていたのです。

うちなーないふ物件探しの教訓

1、物件が掲載されているからと言って、内覧や申し込み可能だという保証はない。中には、申し込みがあっても、掲載情報を放ったらかしにしている物件がある。それも多数。

2、物件が掲載されたら、すぐに電話をかける。メールでの問いあわせを受け付けているところがあるが、メールの返事を待っている間に、内覧順がどんどん下がる恐れがある。

3、春の移動時期で、希望条件の物件がすべて押さえられていても焦らない。3月4日から20日にかけて、次々と空き物件が新規掲載されていた。退去者がのんびりしているのか、掲載されている不動屋さんがのんびりしているのかは不明だが、4月入居可能物件が、3月下旬になっても、どんどん登録されていた。

4、不動産屋さんや物件によって、予約の優先ルールが異なるので、電話でしっかりと確認しておく。電話での先着順が、内覧の予約順になって、申し込みの優先順にもなるのか。それとも、こちらの予定さえ空いていれば、内覧の順番を早めてもらえるのか。内覧前に申し込みができるのか、などなど。

5、現地入りの飛行機の予約は、内覧の予約が取れてからでいい。9日に飛行機を取り、慌てて、5日に取り直したものの、直前でのキャンセルだったためにネットでのキャンセルができず、コロナ騒動で電話が通じなかったこともあって、キャンセルまでに時間と手間がかかってしまった。

6、賃貸マンションに入居希望の場合、検索条件に「マンション」だけでなく「アパート」も入れておく。沖縄では以前、マンションと言えば、それだけで分譲を意味する時代があったので、内地の基準ではどう見ても、マンションなのに賃貸というだけで「アパート」に分類されている物件も多い。私が目をつけた「マンション」も「アパート」の区分になっていた。


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