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家族の幸せが1番。地域の幸せが2番。日本と世界の幸せが3番。【株式会社beの「be(あり方)」をめぐる夫婦の対話 その2】
“あり方(be)”だけ決めて、広告プランナーとライターが夫婦で立ち上げた株式会社be。
私たちの大切にしたいbe(あり方)をめぐる夫婦対話の公開記事、先日公開した「その1」に続きまして。
今回は「その2」。
家族の幸せが1番。地域の幸せが2番。日本と世界の幸せが3番。
についてどっぷり話しましたよ。
分断していた「仕事」と「暮らし」
美砂子:このbeは、私たちのなかではすごくわかりやすいよね。
一彦:うん、わかりやすい。
美砂子:もともと思っていた?
一彦:家族の幸せが1番だとは思っていたね。優先順位1位は家族。でも「家族の幸せ」と「日本と世界の幸せ」が俺の中で分断していて。
美砂子:分断。
一彦:うん、「暮らし」と「仕事」とも言えるけど。電通の仕事は割と規模がデカいから暮らしとの距離が遠かった。でもいろいろな出会いがあって、その距離を近づけたいと思うようになった。育休キャラバンで、札幌の三栗祐己さんファミリーに出会ったことも大きかったな。
美砂子:そうだね、旅で多様な価値観に出会って、自分たちのあり方を探究できた。三栗さんももともと大きな会社で働かれていたし、共感できる部分は多かったよね。家族まるごとで、また会いに行きたいなぁ。
一彦:「地域」に関してはそれまであまり考えていなかったけど、暮らしと仕事の交点になる地域に目を向け始めたんだと思う。
美砂子:それはきっかけがなにかあったの?私がうるさく言うからか(笑)。
一彦:それも大きいよ。でも子どもの影響が一番大きいよね。子どもを媒介にして地域とつながることの大切さを感じるようになった。自分だけでは目が向かなかったかもしれないけど、子どもが生まれると物理的にも地域とつながるし、こなつ(長女)とたすく(長男)が育つ茅ヶ崎のことが気になってくるよね。
美砂子:そうだよね、やっぱりこのまちで育つふたりが幸せであってほしい。
リアルな変化は「世界から」よりも「個人から」起こる
一彦:あとはね、「日本が変わることで地域が変わって、みんなが幸せになっていく」というイメージが崩れ去った気がして。
美砂子:それは自分の中で?
一彦:自分の中で。でも社会的にもそうだよね。できるだけ大企業の影響力をいい方向に持っていきたいと思って広告の仕事をしてきたけど、大企業が存続している理由が必ずしも良い世界を作るという方向に向かっていない。そこに難しさを感じていて。「日本が変わって地域が変わって個人が変わる」なんて妄想だな、と。
それよりも、「個人が変わって地域が変わって、その集合体として日本が変わる」って方が、意外とリアルなんじゃないかな、と思うようになった。
美砂子:うんうん、リアル。そもそも世界を変えようって意気込んでみても、無力感を抱いてしまうことが多いような気がして。私もそうだったけど、地球規模の社会課題解決に挑む人たちって、自分の無力さに一回どーんと落ち込むこともある。そこから、「あ、まずは自分の身近なところから、小さな一歩からなんだ」という気付きに変換していく過程を取材を通してけっこう見てきてね。
「サンタのよめ」のマキちゃんから受け取った「身近なところから」という言葉は、ずっと私の中に宿っている。
美砂子:そして「幸せ」が伝播していくことを、自分たちが信じるところとして置いておきたいな。まずは自分たちが幸せであることが地域の幸せにつながるし、その先に世界の幸せがある。そう信じて動いていきたい。
地域の幸せ=暮らす人の幸せ
一彦:うんうん、やっぱり家族から。その家族っていう大切なコミュニティの一歩外の「地域」は、やっぱり考えやすい。実際に触れるし、大切にしようと思えるというか。
美砂子:いくら世界と自由につながれる社会になったとはいえ、やっぱり物理的に目に見えたり、自転車圏内みたいな距離感の地域なら、手触りまでもわかるよね。でも、「地域の幸せ」ってなんだろうね?
一彦:地域に幸せな人が増えるってことじゃない?
美砂子:やっぱり人だよね。「地域」って表現すると土地とかいろんな意味が含まれるけど、やっぱり「人」。地域のことが自分ごとになるのも、地域の人の顔が見えてきて、その人たちの幸せを思うようになるから。いくら自分のまちが経済的に潤っていても、一人ひとりが笑ってなかったら「幸せなまち」とは思えないもんね。
一彦:うん。茅ヶ崎はモノクルの「ベストスモールシティベスト25」で5位に選ばれたんでしょ。ってことは、幸せな人が多いのかなー。
美砂子:そうかもね。自分の意志を持って生き方やあり方を選択している人は多い気がするな。多様性を認めあえる文化も感じるし。そういう意味では幸せを感じやすい土地柄なのかもしれないよね。もちろん海のあるまち、という良さもある。
でもこれから、地域にどっぷり関わることもやっていきたいと考えると、移住者でもある私たちにとっては、ある意味本当の冒険だね。移住者の友達は多いけど、古くから住む地元の方々とどっぷりかかわったことはあまりないから、いろいろなハードルは出てくるかもね。でも、楽しみながらかな。
一彦:そうだね。
美砂子:まずは浜降り祭で、お神輿をかつぐところから、だね(笑)!
(対談ここまで)
家族、地域、世界をめぐる夫婦の対話、いかがでしたでしょうか。私にとっては、当たり前だけど見落としがちなことを、改めて再認識した時間でした。
次回は3つ目のbe「おもしろがって実験する。まじめに考察する。」についてお話したいと思います。
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