子ども時代に年齢や性別ごちゃ混ぜでスポーツをすることが大切だと思う理由
この記事を読んで確かに、男子は競技志向、女子はエンジョイ志向を押し付けられる傾向にあると気がついた。たとえ全体としてその傾向にあったとしても、別に個人個人の志向だ。女子も競技志向の人がいたっていいし、男子もエンジョイ志向の人がいてもいい。男子は勝利を目指さないと情け無いと言われ、女子は女を捨ててるだの、勝利にがっつくな穏やかに女らしくやりなさいだの言われる。(しかし運動会の女子の騎馬戦は見ていられないものがあった。競技性やゲームを逸脱した何かが存在するからだろうか。)
女子に負けるな、はそもそも女子をなめた発言だ。努力して練習したりセンスがあったりすればその反対の人には男子であろうが勝って当たり前だ。なんで勝てると思ってんだ?
私がこれまでサッカーやフットサルをやってきて一番頭にくる発言がある。ゲーム中にボールを競ってぶつかったときだ。私とぶつかってしまった相手の外野からその人に対して「おいセクハラだぞ」と声が飛ぶ。もちろんニヤニヤしながらだ。言われたその人は競ることをやめるしか手がなく、スポーツは技を見せ合い競い合いその楽しさを分かち合うものなのにその全てを放棄してしまう。試合放棄と一緒だ。ゲームの楽しみが無くなってシラケる上に、戦う前から自分たちより弱いから優しくしてやれと言われているようでとても腹が立つ。このとき私は一瞬で頭に血がのぼってしまうので、そんなこと言ってられないようにバチバチに削りにいくし、コテンパンにしに行く。(もちろんスポーツマンシップ則って、だ。一度は頭に来すぎて自分で交代を申し出てコートの外で頭を冷やさなければならないくらいだった。)
この事象は初めて戦う相手にしか起きない。いつも一緒にやっている人たちは私の力をきちんと上でも下でもなくそのままに評価してくれているので、相手チームであろうと同じチームであろうと、その力に応じた扱いをしてくれる。つまり、どうしても初めて会う人に対して(特にサッカーなど女性人口が少なかったスポーツにおいて)"個人"より"性別"が先に来るのだ。それは仕方のないことかもしれないが、少なくともそのときは文字通り頭を振ってその思考を振り払ってほしい。そして、根気強く一緒にスポーツをしていけば、振り払わなくてもその思考は自然に消えていくはずだ。気が付くことができたら、粘り強く向き合ってみてほしい。
ついでに言うと、「”女子なのに”上手だね。」は私にとって一ミリも誉め言葉ではない。”女子なのに”を口に出していなくても、その前提が読み取れる場合も同様だ。一回マイナスに行ってからのプラスはただのゼロだ。むしろ不快な分マイナスだ。私はそういうとき、ストレートに受け止めてもらえるまでしつこく自分を表現し続ける。わざわざ追いかけてまで。そのしつこさといったら、『帰ってきたドラえもん』でジャイアンに戦いを挑むのび太と同じくらいである。
性別と同じように、高校までは先輩後輩・年上年下が大きな幅をきかせている。同じ学年同士しか戦わせないし、同じ学年でしかチームを組まず、年下に負けるのは恥だと思わされる。
でも大学や会社、社会に出ると分かるのだ。全ては個人差であり、個々人の力を最大限に活かしてチームを強くする、そのためにはチームメイトとしてフラットにコミニュケーションすることが大事なのだと。競技スポーツの上に行けば行くほどそれがわかってくる。差は年齢や性別によるものより個人によるものだ。だから私は子どものころからの年齢も性別もごちゃ混ぜの関わりがとても大事だと思っている。早くからこのことに気がついてもらうためだ。そうすれば性別や年齢によるそれぞれの呪縛から解かれるのではないかと思っている。
部活を否定しているわけでも、男女別・学年別はやめて全部をそうしたほうがいいと言っているわけでもない。並行してでもそういう場にも触れたことがあると生きやすくなるし、そのスポーツの別の楽しみ方を感じることができると思っている。
「手加減しなきゃいけないからつまんないしごちゃ混ぜではやりたくない!」という人もいるのはわかっている。当然危険となる”パワー”は加減しなければならないが、本当の”手加減”というのは一人ひとりの能力や性格を見極めた上で、最大限に引き出すよう全力で加減をする”技術”のことだと思っている。パワーを減らし、その分技術を加える。そうすると全員が”全力”でそのスポーツを楽しむことができる。加減がうまくいっていないとき、自分の技術が足りないと感じる。こりゃぁもっとコミュニケーションや観察をして、もっとうまくならねば、と思う。
繰り返すが、パワー全開・男女別・学年別を否定しているわけではない。
子ども時代にごちゃ混ぜのスポーツに当たり前に触れることが大切だと思っている。
"男女差よりも個人差の方が大きい"はこちらの記事を参考にしています。↓