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学生も大人もごちゃ混ぜスポーツに参加してみよう

以前、『子ども時代に年齢や性別ごちゃ混ぜでスポーツをすることが大切だと思う理由』という記事を書いた。

今度はパワーが強くなる中・高校生から大人までがごちゃ混ぜスポーツに参加する意義について書いていきたい。

小学一年生から中学生、高校生、大学生、社会人の大人まで、性別も年齢もごちゃ混ぜでやることの意義は、子どもだけでなく大人にも、ある。

そもそも、私が子どもから大人まで一緒にやっているスポーツに参加するようになったのは、大学生の頃だ。

大学では、サークルで4年間フットサルをして、社会人女子サッカーチームで約1年サッカーを練習した。そして、ゼミや就職活動中に”生涯スポーツ”に興味を持つようになり、色々調べていくうちに『総合型地域スポーツクラブ』にたどり着いた。

総合型地域スポーツクラブは、人々が、身近な地域でスポ-ツに親しむことのできる新しいタイプのスポーツクラブで、子供から高齢者まで(多世代)、様々なスポーツを愛好する人々が(多種目)、初心者からトップレベルまで、それぞれの志向・レベルに合わせて参加できる(多志向)、という特徴を持ち、地域住民により自主的・主体的に運営されるスポーツクラブです。(スポーツ庁ホームページより)

ご存じの方には申し訳ないが少し説明させてもらうと、スポーツ庁のホームページから引用していることからわかるように、国の政策の一環だ。ざっくりいうと、長寿社会になり、年々医療費が増えていく中で削減対策として国民の生涯スポーツを推奨し、「健康に長生きしましょう、住んでいる地域で地域の人がいろいろなスポーツができるような場所をみんなで作りましょう」という政策だ。(ざっくり)

実際にはクラブを作り、それを地域(市区町村)に登録、認証によって晴れて『総合型地域スポーツクラブ』になることができる。
上の引用にもあるように”多世代・多種目・他志向””地域”がポイントだが、ここでいう多世代・他志向は必ずしも一つのプログラムで世代・志向を対応するのではなく、様々な世代や志向に合わせたプログラムを用意するよう努めることが求められている。

しかし、私がたどり着いた総合型地域スポーツクラブには、”親子フットサル”という親子といいつつ子どもから大人までどなたでも参加OKなプログラムがあった。地域の小学生とその親を中心としたメンバーで楽しくゲームや練習をしていた。

ちょっと遠回りしたが、大学生だった私はこのフットサルに飛び込んだ。

なぜ、大学生でサークルや社会人チームでサッカーをしていた私が、
わざわざ地元の”ごちゃ混ぜフットサル”に参加したいと思うようになったのか。

まず一つ目は、先輩の社会人に、一個人の人間同士フラットに相談や話を聞くことができないかと考えたから。

就職活動で”学生v.s.社会人”の構図に違和感を感じた。就職活動をした人は分かると思うが、「会社説明会に行きましょう」「OB訪問をして業界や職場についてしっかり学びましょう」「会社説明会にはスーツを着ていきましょう」「OB訪問のマナー」「お礼のマナー」「社会人のあるべき姿」「当たり前のマナー」「化粧のマナー」…とにかくしんどい。。

学生と社会人、なにがそんなに違うんだ?同じ人間なのに、学生だってアルバイトをしたりボランティアをしたり、社会に出ているのにこの大きな溝はなんだ?日本は大学までなだらかなスロープなのに、学校を一歩出る段階になると、驚くことに地面が繋がっていないのだ。それは段差ではなく、圧倒的な広くて深い溝なのだ。え?ここからそこに?どうやって?はい?聞いてませんけど?となってしまう。

はじめからそれに気がついている人は、その溝を埋めるべく、もしくはしっかり地面をつたって乗り越えていく。しかしこれは、日本の教育制度の問題で、学生のうちは学校が全て、同じ学校・同じ学年のなかで育ち、教科書の中のことだけで社会でどう役に立つのか、人生をどう進んでいけばいいのか、学校がなくなったら何があるのか何も教えてはくれない。

大学生になっていたが、今からでも遅くない、色々な大人とスポーツを通じてフラットなつながりをもっともっと増やし、キャリアや人生について一個人として話ができるようになろうと考えた。

このとき実際、社会人女子サッカーチームにいた方々に仕事のことを聞くことができたし、アルバイトでも大学でも知っている先輩に話を聞くことができた。その会社や業界、仕事のことだけでなくプライベートとのバランス、サッカーとのバランスなど、一人の個人の人生について聞くことができる。

二つ目は、公園で遊ぶように、地元で毎週格安で近所の子どもから大人までサッカー好きが集まってサッカーしたかったから。

スポーツするにはお金がかかる。コートを借りるのも、学生や社会人のころはできるだけ安いフットサルコートを探して都心から少し離れたコートに電車に乗って着替えや靴を持って遠くに出掛けて、やっとできるという状況だった。

また、社会人サッカーチームに入ったときも、週一回2時間のチーム練習だけでは到底着いていけず、それ以外でどう練習するかも課題だった。公園で個人で練習はしていたが、できるならゲーム形式で、サッカーを楽しみながら続けられて技術をつけられる方法を考えていた。

大人になっても公園で遊びたい!が本音だ。実際公園で練習はしていたが、ただわいわいサッカーがしたいだけなのに、公園は子どもの遊び場で大人は付き添いというのが世間一般だ。大人だって別に中性脂肪ばかり気にしたり何か目標を持って運動しなければならないわけじゃない。ただサッカーが好きな人たちと地元の公園で遊ぶような感覚で大人になってからもサッカーがしたかった。

三つ目、自分の世代以外との接点は、上だけでなく下もないということが衝撃だったから。

大学生はもう大人だがまだ子どもの方が経験した分気持ちがわかるような気がしていた。でも、今の小学生は?高校生は?何が流行っていてどんなことを考えていて最新の教育はどうなっているのか?全然知らなかった。聞いてみようにもその世代の知り合いがいなかった。あぁ、子どもも大人ももっと色々な世代の知り合いがいればもっと視野を広げて、視線を高く持って生きられそうなのにな、と思った。

これらは私がごちゃ混ぜスポーツに感じた可能性や参加したいと思った理由だが、実際に参加してみて感じた学生や大人が参加するメリットもいくつかある。

・自分の子どもと一緒にスポーツができるという貴重な時間を過ごせる

・子どもも一緒に出かけて自分も運動ができて、一石二鳥

・自分の子の家や学校では見せない姿が見られる

・子育ての先輩や色々な子どもに接することで子育てのヒントが得られる

・童心にかえり、自分も楽しみながら自分の持てるものを出して喜んでもらえるおもしろさを感じる

・他の世代、地域に目を向けることによって様々な社会問題により関心を持つことができる

・力の差や違いがある人たちと全力で楽しむスキルが身につく

・とにかく楽しく続ければ体力や技術力も向上し、リフレッシュになる

・普段接点のない業界の人とフラットに話ができて自分の仕事の幅も広がる

挙げればキリがないし、参加する人ももちろん様々なきっかけや目的で参加する。

でも集まったどんな世代の人もそのスポーツが好きで楽しく一緒のコートでやっているのはありそうでなかなかなく、それだけでも十分(大げさかもしれないが)感動的だ。

ぜひ、ごちゃ混ぜスポーツに参加してみて欲しい。なにせ"ごちゃ混ぜ"になるにはあなたが参加することが必要だ。



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