子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#75 子供の数が残念ながら当面増えていくということがちょっと考えにくいということがありますので……
(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
医療保険料と支援金を併せた負担の総額は、今後どこまで上昇するのだろうか。
阿部 大臣、もし可能だったら私に教えてほしいですが、例えば、後期高齢者医療制度に出産育児一時金が賦課されました。今度、また子育て支援金が賦課されます。伺っただけでも、後期高齢者医療制度の保険料というのは、これはどんどん上がっていくのではないか。簡単に、伺った数値を考えても、とても懸念されます。これから五年間というか、こちらの一時金も加わる、出産育児一時金も加わる、果たしてどこまで上っていくのか。
例えば、令和四年、五年の平均的な後期高齢者医療制度の保険料六千五百七十五円が、令和六年、七千八十二、令和七年、七千百九十二、ここからは更に上昇のスピードが上がります。上がったところに、今度、令和八年からの子育て支援金の賦課も加わってまいります。これを見えやすく分かりやすく説明をする責任が政府にはあるんだと思います。
そもそも、医療保険を財源にするということの問題は我が党も指摘をさせていただいております。でも、具体的に考えると、あっ、またかとなります。出産一時金も今度の支援金も、あっ、どこまで上がっていくんだろうなと。そういうことを説明してこそ、私はそれでも医療保険に乗せるべきでないと思いますが。
この間、質問取りで何度かこれをお伺いしたんですけれども、分かるデータをお示しいただけませんでした。例えば、令和五年から令和十年まで、後期高齢者医療制度の保険料はどこまで上がるんでしょう、二つ重なると。多分出ないと思います、聞いても教えていただけなかったから。
熊木 先生御指摘のとおり、後期高齢者医療制度の保険料が今後数年間の間にどのように上がっていくかということについては、試算ないしはされていないというふうに承知をしております。
他方で、こちらの少子化の子育て支援金につきましては、制度発足の八年度、それから九年度、十年度、十年度に満年度化され、満年度化された際には、平均しますと、加入者一人当たり三百五十円程度ということでございます。
阿部 まあ、それは、これについてはこれくらい、これについてはこれくらい、両方合わせればどれくらいと言ってくれないと、払う側の実感はないわけですよ。いかに何でもちょっとこれはひどいと思います。そして、次々拡充される、これから支援金が上がれば上がるほど、これは一例ですけれども、分かりやすかったので取らせていただきましたけれども、試算されていないし、持ってきていただけなかったので、大臣、是非これはやってください。
出産育児一時金だって、七十五歳以上の方がなぜそこで負担するのかですよ。今回、子育て支援金もまた負担するんですよ。合わせてどれくらいになるんですか。各々を言われても、払う側は各々で払わないんですね。どれくらい負担かというのがありますから、終わったらで結構です、数値で示してください。これまで求めても出てまいりませんでしたので、さっきの答弁のように。大臣からそこを確約してください、出してください。いかがですか。
熊木 大変恐縮ながら、保険料の今後の推移ということでございますので、厚生労働省の方にお聞きいただくしかないかと思います。
支援金につきましては、今後、子供の数が残念ながら当面増えていくということがちょっと考えにくいということがありますので、基本的に、増えていくというような、高齢化に伴って増加していくような医療、介護とは異なる、そういうものであることははっきりと申し上げさせていただきたいというふうに思います。
阿部 私は、看過しづらい一言ですよ。どれくらい上がるかは厚生労働省に聞け、そうじゃないでしょう。だって、支援金というものを考えられたのは皆さんですよ。中身は分からない、それは厚労省がやっているからというのは、余りにも不誠実ですよ。
子供の数が当面増えないから、そんなためにやっているんですか。子供、子育て支援は、ここ五年間を、強化月間というのは三年ですよね。三年の後も支援金は少しあるわけですから、そこまで見通したものを出してこそ審議の前提だと思います。
委員長、是非これは理事会で検討をよろしくお願いいたします。
谷 後日、理事会で協議いたします。
参考資料等
後期高齢者1人当たり保険料の推移