子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#85 これまでの社会保障改革の果実とこれからの社会保障改革の果実は、使い方の思想が変わるのではないか
(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
支援金制度は、「歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で構築する」と政府は言う。
ところが、歳出改革はこれまでも行ってきたから、「社会保険負担軽減の効果」はこれまでも生じていた。
これまでも生じていた「社会保険負担軽減の効果」は、何に使われてきたのか。また、これからの「社会保険負担軽減の効果」は、何に使われるのだろうか。
足立 結局、政府のロジックは、これまでの社会保障改革、これまでの医療制度改革は医療制度改革のために使うけれども、これからの医療制度改革の果実は少子化対策に使う。だから、同じ社会保障制度改革、同じ医療制度改革なんだけれども、同じ果実ですよね、それは。でも、今までの改革とこれまでの改革は、その果実の使い方を変えるんだという、これはどっちでもいいですよ、こども庁でもいいですよ、誰でもいいですよ。どうぞお願いします。
鹿沼 お答えいたします。
国の歳出改革の面でお話をさせていただければ、今までも、私どももよく言われるのが薬価の見直しとかがございますけれども、社会保障の歳出改革をする中で、毎年大体千数百億円ずつ国費ベースで削減をしてまいりました。一方で、子供の関係につきましては、こども家庭庁さんの方がお詳しいとは思いますけれども、公費ベースで毎年千八百億ぐらいずつ増やしてきたという経緯がございます。
そうしたことを踏まえて、今回、私どもは、歳出改革は、社会保障の今後の存立基盤ということでしっかりやっていかなきゃいけないと思っておりますが、一方で、こども家庭庁の方で六年間で一・一兆円の予算を確保するというようなことで、これは公費ベースですけれども、されているというもので承知をしております。
足立 鹿沼さんがおっしゃったのはやはりよく分からなくて、繰り返しになりますけれども、これは、だから、橋本先生、語りかけたらあかんか、これは自由討論をしたらいいと思うんですよね、政府だけだとかわいそうだから。やはりこれは与党の責任ですよ。だから、やはり、自民党、公明党と私たち野党が自由討論をしたらいいんですよ。田村さん、発言したいですよね。だから、私が言いたいことは、これまでの社会保障改革の果実とこれからの社会保障改革の果実は、使い方の思想が変わるのではないかという質問です。それは田村さん、イエスですよね。
例えば、今まで医療保険制度改革をしてきた、そこで、もちろん医療保険には税金も入っているから、保険と税が削減される。でも、それは医療制度の持続可能性を高めるためにやってきたんじゃないですか。今までそれは少子化対策には使っていなかったわけですよ。(発言する者あり)いやいや、一部ね。だから、そんなまた細かいことを言って、いや、こういう例があるんだとか、余り意味がないですよ。そうじゃなくて、これからは本格的に医療制度改革の果実を少子化対策に使うという枠組みが今回できるんだから、それは明らかに政策変更だということを認めてほしいんですよ、我々は。認めてくれたら議論が始まるんですよ。
ところが、いやいや、前例があるとか。また小さな議論になるのでやめておきましょうか、何か空気がよくなくなってきましたので。(発言する者あり)大事なテーマ、僕が言っていることは正しい、いい議論だと。井坂さんが、選挙では一緒にやっていませんけれども、いい議論だと言ってくれました。だから、今日の議論はすごく大事なんです。だから、それを今日午後、加藤大臣とやります。ただ、医療保険制度の在り方に関わるので議論させていただいたということであります。