(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
加速化プランの目標は「少子化トレンドの反転」であり、それは「結果として出生率が向上すること」だと説明された。
しかし「出生率の向上」を目指すのはなぜなのか。
「結婚、妊娠、出産、子育ては、個人の自由な意思決定に基づくものであり、個人の決定に対して特定の価値観を押しつけたりプレッシャーを与えたりすることは決してあってはなりません」と大臣は述べた。
現在の結婚、妊娠、出産、子育ては、「個人の自由な意思決定」に基づいていないのだろうか。「個人の自由な意思決定」に基づいた結果が、現在の出生率ではないのか。
とすれば、そこに「出生率の向上」の目標を置くことは、「特定の価値観を押しつけたりプレッシャーを与えたりすること」にならないか。
高橋 こども大綱には、子供、若者の多様性が尊重され、尊厳が重んぜられ、固定的な性別役割分担意識や特定の価値観、プレッシャーを押しつけられることなく、主体的に、自分らしく、幸福に暮らすことができるよう支えていくとあります。同感です。
しかし、政府は、人口減少に歯止めをかけなければ、社会保障のみならず、我が国の経済社会システムを維持することは難しいと強調しています。結局、経済優先ですか。若い世代に価値観と責任を押しつけてはなりません。(…)
岸田 (…)少子化対策に関する若い世代への価値観等の押しつけについてお尋ねがありました。
結婚、妊娠、出産、子育ては、個人の自由な意思決定に基づくものであり、特定の価値観を押しつけたりプレッシャーを与えたりすることは決してあってはならないと考えます。
その上で、急速な少子化、人口減少に歯止めをかけなければ我が国の経済社会システムを維持することは難しく、それは、若い世代や将来世代も含め、あらゆる方々に影響することです。このため、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てができるよう、社会全体で若い世代を支えていくことが重要であると考えており、価値観等の押しつけとの指摘は当たらないと考えます。
参考資料等
こども大綱
こども未来戦略