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子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#33 全世代で支え合うという形をつくることができますので、現役世代にしわ寄せをしない

(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)

「医療保険料の四から五%」とされる支援金は、少子化対策の財源としてふさわしいのだろうか。


日付:2024年4月3日
会議名:衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
発言者:日本維新の会 足立康史
こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室長 熊木正人

足立 財務省のホームページに行くと、なぜ消費税を一〇%に引き上げたんですかという質問がホームページにばんばん出ているわけです。財務省は何と言っているか。保険料のみでは働く現役世代に負担が集中するからですと書いてあるわけですよ。すばらしいでしょう。すると、やはりそれは、大臣、現役世代に負担が重い社会保険料に財源を求めるのは少子化対策に反するのではないかと当然みんな言っているわけですよ。
 更に言うと、こうも言っています。消費税は現役世代など特定の世代に負担が集中せず、これはさっきと一緒だね、企業の経済活動にも中立的であるからですと書いてあるんです。社会保険料は中立じゃないんです、当たり前ですよね。さっきどなたかが、早稲田さんかな、がやっていらっしゃいましたけれども、中立であるわけがないじゃないですか、そんなの。だって、事業主も折半で負担するんだから。
 だから、当時、私たちがまだ誕生していないときに、自公民の三党は少子化対策の財源は税だ、それも、今申し上げたような理由で消費税だと言ったじゃないですか。(発言する者あり)まあ、細かいことはいいじゃないですか。何と言ったんだっけ。(発言する者あり)消費税も。
 だから、これは議論したらいいんですよ。だから、今みたいな加藤大臣が御用意されている支援金がいいのか、あるいは消費税がいいのか、あるいは例えば固定資産税等の資産税がいいのか、はたまた金融資産とかも、金融所得税の議論もあった。でも、その税の議論が、例えば改革工程表とか、いろいろな政府の文書にはもう税という言葉は出てこないわけですよ。(発言する者あり)あっ、僕の意見、ちょっと自由討論、これは難しいんだけれどもね。
 難しいんだけれども、社会保険料はやはり最悪だという議論を今日午前中、厚生労働委員会でやってきました。なぜかというと、まさに社会保険料は今、応能負担ということで資産を保険料に跳ねさせようと努力しているんだけれども、小林さんがいたデジタル庁も頑張っているんだけれども、まだそこのマイナンバー付番とかがなかなか義務化ができないので、そもそも、そういう制度インフラ、資産を捕捉するための制度インフラを整備していく入口にも立てていないわけでしょう。今は希望者だけでやっているわけですよ。そんな状況で、保険料率の設定に所得じゃない資産までカウントできるようになるわけがないわけですよ、当面。まだ議論がこれからなわけです。検討って、検討が始まってもいないんですよという話を今日、武見大臣とやってきました。
 もう通告は以上で終わっちゃっているんだけれども、しかし、加藤大臣、今日申し上げた、エビデンスがはっきりしない少子化対策に、これは受益になるんだと。もう加藤大臣、余り細かいことは言わないんだけれども、やはりそれは、税の議論を排除せずに、僕は結構増税だってみんなに怒られているんだけれども、別にそれは、日本全体の歳入の中で構造改革というか、税構造改革したらいいじゃない。歳出改革したらいいじゃない。それも社会保障改革だけじゃなくて、全体……(発言する者あり)歳入改革、だから、政府全体で歳入改革して増税にならないようにしたらいいじゃない、そんなものは。
 それを前提に、すなわち、増税はしない、最低でも税収中立である、歳入全体の、社会保険料も含めた税収、社会保険料も含めた税収中立を前提に、少子化対策のためにはどのような負担構造、政策構造じゃないですよ、児童手当をこうしますという政策の中身じゃなくて、そうじゃなくて、負担構造をどうするのが現役世代、子育て世代、あるいは若い、結婚をこれからされる世代にとってプラスかということを議論したらいいじゃない。それは、所得ベースの社会保険料なのか、消費ベースの消費税なのか、資産ベースの固定資産税や何とかのその三つしかないんだから。それを比べたら、今回の政府の提案の医療保険をベースとする支援金というのは、それは明らかに現役世代の負担が大きいわけですよ。ねえ、小林さん。
 そこで、今日、厚生労働委員会でどういう議論をしたかというと、そのとおりです、だから社会保障改革をやるんですねと。その社会保障改革って、だって、今までもやっていたじゃない。でも、これからもやるんでしょう。
 今までの改革の果実は、これまでの社会保障制度、すなわち、医療保険なら医療保険制度の中でそれを反映させてきたわけですよ。できるだけ社会保険料が上がらないようにしてきたわけですよ。それでも上がっているよ、上がっているけれども、医療制度改革の果実は医療制度で食べてきたわけですよ。当たり前でしょう。医療制度改革の果実は医療制度で食べる。
 ところが、今回の法律で何が変わるかといったら、社会保障制度改革の果実が、今まではそういう、医療保険なら医療保険、介護、そうした少子高齢化の中で明らかに大変になってきている医療・介護給付と負担の関係の中で、それを少しでも改善しようと思ってやってきた。これからも改革するんだけれども、これからの改革の果実は、これまでの改革の果実と違って、これからの改革の果実は、あっちに使ってもらいますから、さようならと言っているわけですよ。それが、さっき言ったように、保険者にとっての受益になるんだったらいいですよ。でも、さっき言ったように、エビデンスがはっきりしていないので、返ってくるかどうか分かりません。
 そんなものに、今までは税でやっていたのに、本当に保険料を使うんですかというのが本当の問題であって、山井さんみたいに、何か所得ごとに、八百五十円に千七百円とか二万幾ら、あんなことで大臣の言質を取ろうとする。嫌らしいよね。嫌らしいし、レベルが低いし、まず何も生み出さない。それを日本のテレビが放映するわけですよ、加藤大臣が今までは八百五十円と言っていたのに千七百円と言った、それを取るために、彼は今日、四十五分やったんでしょう。そんなことをやっているから日本は衰退をしているんですよ。国会の、与党は頑張っているけれども、野党は遊んでいるわけですよ、そうやってテレビの前で遊んでいるわけですよ。
 だから、私たち日本維新の会は……(発言する者あり)まあまあ、いい人もいる、はいはい、いい人もいる。だから、そういう、加藤大臣に幾ら幾らという、それこそ、一谷さんの言葉で言うとバナナのたたき売りみたいな。ちょっと演説会になっていますけれども、もう質問通告は終わっちゃったんですけれども、でも、申し上げたいことはそういうことですよ。
 だから、そういう山井さんの山井劇場をテレビに報道させるぐらいだったら、加藤大臣あるいは室長にももっと準備していただいて、反論してください、反論。例えば、さっきの千七百円という数字が独り歩きすることにほとんど意味はないんですよ。熊木室長がおっしゃったように、あれは四%、五%に収めているんだと。そこがポイントなんでしょう。それは、そうだからあなたが言っていることは意味がないんですよと、もっとばしっと反撃してください、反撃を。そういう国会にしなければ、いつまでも野党第一党がこうやって遊んでいる。
 私たちが、維新の会が今回の法案で議論したいことは、今日申し上げた、受益がはっきりしない中で、それから資産の捕捉ができない中で、所得ベースの、現役世代に負担が集中する、財務省が消費税を上げるときに保険料のみでは働く現役世代に負担が集中してしまうと明記している、財務省ホームページに明記している、そんな財源を本当に充てるんですかということを議論したいわけでありますが、ちょっと大臣、所感は。

(以降しばらく論点がずれたため省略)

足立 (…)でも、最大の問題は、やはり負担構造なんですよ。最大の問題は、熊木さん、加藤大臣、負担構造なんです。だって、明らかに、さっき財務省の資料を言うまでもなく、現役に負担が大きい負担構造を財源にすると、財源構造としては少子化対策に、比較的ですよ、ほかの手段に比べて少子化対策にネガティブに働くということは私は言えると思うんだけれども、どうですか。
熊木 財源のことでございますので、先ほど来、消費税ですとか、いろいろな財源があるということで、それぞれ、やはりメリット、デメリット、あろうかと思います。
 今回は、政府といたしましては、税につきましては、経済の今の現下の状況に鑑みて、税を上げるという選択肢は取るべきではないと判断した。社会保険を使うということによって、先生がおっしゃったような、所得に応じたような形になります。これを医療保険制度で活用することによって全世代で支え合うという形をつくることができますので、現役世代にしわ寄せをしない形で構築している。
 そして、今回の支援金制度は、まさに歳出改革とセットで行うということによって、支援金と歳出改革がセットで行われる。むしろ、歳出改革が先行して先に積み上げるということを行うことによって、社会保険負担軽減の効果を発揮させるという中で負担なしということをつくっている、そういう構造で今回は考えたということであります。
足立 もう時間があと三分ほどなので、金曜日もたしか審議があると思いますから、ちょっと予告も兼ねて、もう一テーマいきたいと思うんですが。
 結局、社会保障改革の徹底によって社会保障経費の伸びを抑制する、その範囲内でやるんだと。その抑制するのは、この財源の確保というポンチ絵がありますよね、これで下に下がっているわけです。でも、それは、そこで出てくる財源は、社会保険負担軽減の効果が一兆円、公費節減の効果が一・一兆円ということになっているわけですが、さっき申し上げたように、保険と税では負担構造が違うわけです。だから、ここで二・一兆生まれるのであれば、その一足す一・一の合計の二・一を全て社会保険料負担の軽減に充てたらどうかということを、言っていること、分かる。
 恐らく、これに対して、昨日も総理が、子育て政策の抜本的な強化を図ることができなくなりますと言っているんだけれども、それは、今の保険と税の負担構造を今のまま維持するという前提ですよね。(発言する者あり)やはり自由討論をやった方がいいな。加藤大臣は加藤大臣で頑張っておられるので全然応援するんですけれども、しかし、この議論は、やはり政府・与党を挙げて、あるいは野党と与党で議論すべきことなんですよ。
 繰り返しになりますけれども、例えば、私たちは、後期高齢者医療制度の税負担二分の一というのは、もうちょっと上げてもいいという立場なんですよ。そうやって、今の医療保険、今の社会保険制度、医療保険全体の中での保険と税の按分というのがありますね。特に後期高齢者については十分の五を入れている。それを私たちは、極端な話、十分の十だととりあえず言ったわけですよ。何のために言っているかといったら、さっき申し上げた、負担構造が違うからです。
 だから、今回の改革にあっても、財源が生まれる、改革によって生まれる。それは、社会保障改革ですから両方に跳ねるわけですよ、社会保険料と税と。両方に跳ねるんだけれども、繰り返しになるけれども、そこで生まれた果実は現役世代の負担を減らすことに寄せた方がいいんじゃないのという議論を、実は私たちは今、党の最大のメッセージとして準備をしているし、条文修正の議論もしていきたいと思っています。


参考資料等

財務省ウェブサイト

先般の消費税率10%への引上げは、なぜ行われたのですか
【答】
社会保障は人生の様々な段階でのリスクに対して、社会全体で助け合い、支え合おうとする仕組みです。その費用は保険料でまかなうことが基本ですが、保険料のみでは働く現役世代に負担が集中してしまうため、税金や借金も充てています。
(…)
消費税は、現役世代など特定の世代に負担が集中せず、税収が景気などの変化に左右されにくく、企業の経済活動にも中立的であることから、社会保障の安定財源として適しています。

財務省ウェブサイト>よくあるご質問>税制>先般の消費税率10%への引上げは、なぜ行われたのですか より

こども・子育て政策の強化(加速化プラン)の財源の基本骨格(イメージ)

こども家庭庁ウェブサイト 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(公布日:令和6年6月12日) 概要・参考資料 より

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井川夕慈
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