子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#11 学習院大学長「あれは保険ではなく、あくまでも保険の徴収システムを使っている徴収制度だ」
(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
支援金は保険料、と政府は言う。
学者はどう考えているのか。
高橋 遠藤参考人に伺います。
先生は、支援金制度等の具体的設計に関する大臣懇話会の座長であられました。昨年十二月の第二回の議事録を見ますと、支援金の性格について多くの構成員の方から意見が出されておりました。この間ずっと予算委員会や本委員会で議論をされている社会保険の逆進性なども議論されていると思います。
それで、例えば、商工会議所の代表からは、支援金とは何か、社会保険料という位置づけとは説明されていない、このような指摘があり、安易に支援金の拡大でなし崩し的な対応がなされることがないようにお願いしたい、つまり、引上げはこれ以上しないようにというくぎを刺しているのかなと思って聞いておりました。
当時は、社会保険のルートを使うけれども社会保険ではないと説明をしていたと思います。しかし、本日、立憲の早稲田議員からも紹介がありましたように、もう社会保険料として整理されるという答弁があったわけです。
そうなると、社会保険料というのは給付と負担の状況を鑑みて見直しがされていくわけで、引上げも当然されていくという理解になると思いますが、いかがなんでしょうか。また、当初の議論から見ておかしくないのか、伺います。
遠藤 ありがとうございます。
私、その検討会の座長をさせていただいて、そのような御意見もありました。ほかにも様々な御意見がございました。そういう意味では、基本的には支援金を保険の徴収システムの中で徴収するという枠組みの中での議論だったわけでありますけれども、様々な御意見が出ていたわけで、もちろんそれに対する反対の意見もあったわけでありますけれども、多くはその枠組みの中の議論でした。
そこで、私は、実は今でも、あれは保険ではなく、あくまでも保険の徴収システムを使っている徴収制度だ、こういう理解でいるわけであります。それはなぜかというと、保険ではない、リスクのヘッジという形ではないからだということで、そういう理解をしておるわけであります。
それから、保険制度であろうがなかろうが、給付額が増えてくれば負担を増やさなければならないということは当然の話になるわけでありますから、それについては、どの財源を使うのかという議論は当然出てくるとは思いますけれども、これは保険でなくてもそういう話は出てくるのかなというふうに思って、私が御質問を正しく理解しているかどうか、申し訳ないんですけれども、取りあえず、そんなようなお返事をさせていただきたいと思います。
参考資料等
支援金制度等の具体的設計に関する大臣懇話会構成員
遠藤久夫