子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#60 若い世代だけに負担を増やすのではなくて……
(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
歳出改革の内容によっては、社会保険料以外の負担が生じて、それは「実質的な負担は生じない」の〝あかし〟である社会保障負担率には含まれないから、実質的に負担が生じることになるのではないか。
井坂 次に、支援金についてもう一つ、やはり負担増ではないのかという部分があります。
配付資料の五番を御覧ください。
政府はこれまで歳出改革により支援金の実質的な負担は生じないと答弁をしてきました。しかし、今後の歳出改革プログラムである改革工程には、節約や効率化だけでなくて、負担増の項目も幾つも含まれております。介護保険の利用者二割負担の対象拡大、医療、介護の利用者三割負担の基準見直し、高額療養費の自己負担限度額の見直しなどであります。
実際、昨年十二月には、改革工程に、高齢者の医療費の窓口負担を原則二割に引き上げる案が盛り込まれる可能性があるという報道もされておりました。
伺いますが、結局、これは病気の高齢者の負担を増やすことによって支援金の財源をつくっていることにはならないでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
武見 基本的な負担の在り方に関わる哲学は、やはり、若い世代だけに負担を増やすのではなくて、全ての世代でバランスの取れた負担の仕方をすることによって持続可能性をしっかり維持しようというのがその哲学です。
その中で、全ての世代が支え合う観点から、委員御指摘の医療や介護の窓口負担割合に関わる検討事項に加えて、必要なサービスを受けることができる体制を確保するためのサービス提供側の質の向上と効率化に関わる検討項目など、幅広い取組を視野に入れておりまして、実施する取組については、二〇二八年度まで各年度の予算編成過程においてしっかりと検討をし、決定していくこととしております。
井坂 増税と言われるのが嫌で社会保険料を増やし、国民負担率が上がったと言われるのが嫌で窓口負担を増やす。しかし、お金の取り方を変えても国民の負担が増えることに変わりはありません。少子化対策の支援金は、実質子育て増税であります。
参考資料等
「医療・介護制度等の改革」の「2028年度までに検討する取組」