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子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#60 若い世代だけに負担を増やすのではなくて……

(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)

 歳出改革の内容によっては、社会保険料以外の負担が生じて、それは「実質的な負担は生じない」の〝あかし〟である社会保障負担率には含まれないから、実質的に負担が生じることになるのではないか。


日付:2024年2月21日
会議名:衆議院 予算委員会
発言者:立憲民主党 井坂信彦
厚生労働大臣 武見敬三

井坂 次に、支援金についてもう一つ、やはり負担増ではないのかという部分があります。
 配付資料の五番を御覧ください。
 政府はこれまで歳出改革により支援金の実質的な負担は生じないと答弁をしてきました。しかし、今後の歳出改革プログラムである改革工程には、節約や効率化だけでなくて、負担増の項目も幾つも含まれております。介護保険の利用者二割負担の対象拡大、医療、介護の利用者三割負担の基準見直し、高額療養費の自己負担限度額の見直しなどであります。
 実際、昨年十二月には、改革工程に、高齢者の医療費の窓口負担を原則二割に引き上げる案が盛り込まれる可能性があるという報道もされておりました。
 伺いますが、結局、これは病気の高齢者の負担を増やすことによって支援金の財源をつくっていることにはならないでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
武見 基本的な負担の在り方に関わる哲学は、やはり、若い世代だけに負担を増やすのではなくて、全ての世代でバランスの取れた負担の仕方をすることによって持続可能性をしっかり維持しようというのがその哲学です。
 その中で、全ての世代が支え合う観点から、委員御指摘の医療や介護の窓口負担割合に関わる検討事項に加えて、必要なサービスを受けることができる体制を確保するためのサービス提供側の質の向上と効率化に関わる検討項目など、幅広い取組を視野に入れておりまして、実施する取組については、二〇二八年度まで各年度の予算編成過程においてしっかりと検討をし、決定していくこととしております。
井坂 増税と言われるのが嫌で社会保険料を増やし、国民負担率が上がったと言われるのが嫌で窓口負担を増やす。しかし、お金の取り方を変えても国民の負担が増えることに変わりはありません。少子化対策の支援金は、実質子育て増税であります。


参考資料等

2024年1月26日 第32回社会保障審議会 資料1 「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」、「こども未来戦略」について より

「医療・介護制度等の改革」の「2028年度までに検討する取組」

・医療DXによる効率化・質の向上
・生成AI等を用いた医療データの利活用の促進
・医療機関、介護施設等の経営情報の更なる見える化
・医療提供体制改革の推進(地域医療構想、かかりつけ医機能が発揮される制度整備)
・介護の生産性・質の向上
・イノベーションの推進、安定供給の確保と薬剤保険給付の在り方の見直し
・国保の普通調整交付金の医療費勘案等
・国保の都道府県保険料率水準統一の更なる推進
・介護保険制度改革(ケアマネジメントに関する給付の在り方、軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方)
・サービス付き高齢者向け住宅等における介護サービス提供の適正化
・福祉用具貸与のサービスの向上
・生活保護の医療扶助の適正化等
・障害福祉サービスの地域差の是正(能力に応じた全世代の支え合い)
・介護保険制度改革(利用者負担(2割負担)の範囲、多床室の室料負担)
・医療・介護保険における金融所得の勘案や金融資産等の取扱い
医療・介護の3割負担(「現役並み所得」)の適切な判断基準設定等
・障害福祉サービスの公平で効率的な制度の実現(高齢者の活躍促進や健康寿命の延伸等)
・高齢者の活躍促進
・疾病予防等の取組の推進や健康づくり等
・経済情勢に対応した患者負担等の見直し(高額療養費自己負担限度額の見直し/入院時の食費の基準の見直し) 等

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井川夕慈
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