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子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#29 子ども・子育て拠出金を廃止することは考えておりません

(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)

 支援金は事業主も負担する。
 ところが事業主はすでに、税でも保険料でもない子ども・子育て拠出金を負担している。
 子ども・子育て拠出金は、支援金制度の導入にともない廃止されるのか。


日付:2024年3月26日
会議名:衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
発言者:国民民主党 浅野哲
こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室長 熊木正人
内閣府特命担当大臣 加藤鮎子

浅野 厚生年金保険でも、次世代の担い手確保のための負担があるんですね。子ども・子育て拠出金、保険料率〇・三六%、これが既に上乗せをされて徴収をされています。
 今回、この厚生年金保険で既に子ども・子育て拠出金というものを徴収をしている上で、更に子ども・子育て支援金というのを今度は健康保険から徴収をするということになりますので、将来の労働力確保、担い手確保、制度の持続性強化という同じような目的で、既にある子ども・子育て拠出金に加えて、子ども・子育て支援金というのを健康保険側に設けると。これは制度がより複雑になりますし、もっと簡素であるべきだと思うんですね。
 私としては、やはり、子ども・子育て拠出金を、その料率を見直す。若しくは、健康保険の方が、被保険者が、対象が広いということであれば、子ども・子育て拠出金は廃止をして、子ども・子育て支援金に一本化するとした方が、制度的に簡素になりますし、国民からの分かりやすさも改善します。こちらの方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
加藤 お答え申し上げます。
 子ども・子育て拠出金は、仕事と子育ての両立を支援し、将来の労働力の確保に資するため事業主の皆様から拠出をいただいているものであり、子供、子育て支援の重要な財源の一つでございます。
 今般の支援金制度の創設により子ども・子育て拠出金のこうした意義が失われるものではなく、子ども・子育て拠出金を廃止することは考えておりません。
浅野 今の説明を聞くと、子育てと仕事の両立を図る、そして将来の担い手を育成する、これは子ども・子育て拠出金の設立理由なのかもしれませんが、先ほどから聞いていると、子ども・子育て支援金の方も同じような目的があると思えてならないんですね。
 ほぼ同じような、仕事と家庭の両立、子育て支援の充実、また、制度の持続可能性を強化するための将来担い手の育成。これは完全に両者重なっていると思うんですよ。ですから、これはどちらか一方に集約をするという方が、行政効率も高まりますし、国民からの理解もされやすいというふうに思うんですね。
 ただ、同じことの繰り返しになりますので、是非、ここは今後引き続き議論をさせていただきたいと思います。


参考資料等

子ども・子育て拠出金

子ども・子育て支援法
(拠出金の徴収及び納付義務)
第六十九条 政府は、児童手当の支給に要する費用(…)、第六十五条の規定により市町村が支弁する同条第二号に掲げる費用(…)、地域子ども・子育て支援事業(…)に要する費用(…)及び仕事・子育て両立支援事業に要する費用(…)に充てるため、次に掲げる者(次項において「一般事業主」という。)から、拠出金を徴収する。
一 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第八十二条第一項に規定する事業主(次号から第四号までに掲げるものを除く。)
二 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)第二十八条第一項に規定する学校法人等
三 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第百四十四条の三第一項に規定する団体その他同法に規定する団体で政令で定めるもの
四 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第百二十六条第一項に規定する連合会その他同法に規定する団体で政令で定めるもの
2 一般事業主は、拠出金を納付する義務を負う。

(拠出金の徴収方法)
第七十一条 拠出金の徴収については、厚生年金保険の保険料その他の徴収金の徴収の例による。

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井川夕慈
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