子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。#29 子ども・子育て拠出金を廃止することは考えておりません
(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
支援金は事業主も負担する。
ところが事業主はすでに、税でも保険料でもない子ども・子育て拠出金を負担している。
子ども・子育て拠出金は、支援金制度の導入にともない廃止されるのか。
浅野 厚生年金保険でも、次世代の担い手確保のための負担があるんですね。子ども・子育て拠出金、保険料率〇・三六%、これが既に上乗せをされて徴収をされています。
今回、この厚生年金保険で既に子ども・子育て拠出金というものを徴収をしている上で、更に子ども・子育て支援金というのを今度は健康保険から徴収をするということになりますので、将来の労働力確保、担い手確保、制度の持続性強化という同じような目的で、既にある子ども・子育て拠出金に加えて、子ども・子育て支援金というのを健康保険側に設けると。これは制度がより複雑になりますし、もっと簡素であるべきだと思うんですね。
私としては、やはり、子ども・子育て拠出金を、その料率を見直す。若しくは、健康保険の方が、被保険者が、対象が広いということであれば、子ども・子育て拠出金は廃止をして、子ども・子育て支援金に一本化するとした方が、制度的に簡素になりますし、国民からの分かりやすさも改善します。こちらの方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
加藤 お答え申し上げます。
子ども・子育て拠出金は、仕事と子育ての両立を支援し、将来の労働力の確保に資するため事業主の皆様から拠出をいただいているものであり、子供、子育て支援の重要な財源の一つでございます。
今般の支援金制度の創設により子ども・子育て拠出金のこうした意義が失われるものではなく、子ども・子育て拠出金を廃止することは考えておりません。
浅野 今の説明を聞くと、子育てと仕事の両立を図る、そして将来の担い手を育成する、これは子ども・子育て拠出金の設立理由なのかもしれませんが、先ほどから聞いていると、子ども・子育て支援金の方も同じような目的があると思えてならないんですね。
ほぼ同じような、仕事と家庭の両立、子育て支援の充実、また、制度の持続可能性を強化するための将来担い手の育成。これは完全に両者重なっていると思うんですよ。ですから、これはどちらか一方に集約をするという方が、行政効率も高まりますし、国民からの理解もされやすいというふうに思うんですね。
ただ、同じことの繰り返しになりますので、是非、ここは今後引き続き議論をさせていただきたいと思います。
参考資料等
子ども・子育て拠出金