「うたそら」第17号『生き延びる』
『生き延びる』鹿ヶ谷街庵
生きるとは「who are you?」という問いに答えるための短い映画
いつだってはじめて海を見たときの目をして君はおはよう、という
鬱の霧立ちこめる森を歩みゆくその終点に咲く彼岸花
風のない吉野家をでて街路樹が照らされている通りを歩く
塾のあと皆それぞれのセブンティーンアイスを買って生き延びてゆく
秋がきてたがいが猿に見えてくる真夏の恋の必然として
改札で君がうつむく。神回のアニメを見逃すようにしずかに
終電を逃してネカフェで朝を待つ 山頭火ならどうしただろう
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