『うたそら』第15号『勝手に食べる』
一番は太宰治で一致して二番を当て合う雨の図書室
鉛筆で描く自画像の真っ黒に塗りつぶされた目にあるひかり
今日もまた告白できずに自転車で『リンダ リンダ』を死ぬほど叫ぶ
透明な独楽が激しく心臓でまわり続ける片恋の日々
君に似たひとを見かけて追いかける君じゃなかったけど追いかける
何度でも叱られたくて何度でも君のプリンを勝手に食べる
手をつなぐ僕らを月が照らすから夜の散歩は祝祭になる
ガーベラが弾いた水の一滴に君が映って消えてく、またね
テーマ詠『短』
咳をしてもヒッコリー、と書く。短詩ってウイルスみたいに身体をめぐる
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