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映画と映画館、私のすきなもの。

こんにちは。
映画の話、とお題をお見かけして書き始めたはいいけれどずっと下書きにありました。
フェア期間には間に合わなかったけれど、どころではなく時間がたちましたがせっかくなので手を伸ばします。

子どものころは映画、とりわけ映画館といえば[春休み][夏休み]等と冠されたアニメ祭に連れていってもらうくらいでした。 
子ども向けだと短い映画の二本立て、三本立ても珍しくなかったような?
ひとつの作品が終わるごとに一旦館内が明るくはなるけれど総入替えでもないので全員が立ち上がることもない。
順番に上映される2本目の作品から入って2周目の1本目までで一巡、みたいな入りかたも許される空間。
館内は今の映画館よりももっとポップコーンの匂いが強くて、でもポテチやチョコレートなんかを持ち込む人も多くて、今よりももっと空気がわさわさ? どこか雑然としていたようなイメージです。
大きな画面と大きな音で、全身で物語を浴びる。
めったに連れていってもらえないからこそ、子どもの頃の私にとってはちょっと特別な場所でした。

水曜日や金曜日には親がテレビをみていたので、私には理解できないもの、まだ興味が生まれない映画も日常的に流れていました。 
わからないなりにみていて物語に興味がわき、最後まで見たくて夜更かししては怒られるのも日常。
「さよなら、さよなら、さよなら。」も「映画って本当にいいものですね」も魂に馴染んでいます。
今から考えると、見せたのは親なのに「はやく寝ろ」と途中で急に怒られるのは理不尽と思わなくもありませんがあの頃の我が家には当たり前の出来事でした。
バックトゥーザフューチャー、E.T.、ネバーエンディングストーリーはきっとこの時期。
あくまでも親が好むもの、なのでジャンルが偏っています。
実写の赤毛のアンや若草物語は思いっきり母の好み。
ジブリもディズニーも、家族でよく一緒に見ました。
初めて映画館で見たジブリは「魔女の宅急便」(年齢がバレますよ)。
トトロはテレビでよく放送があったし、妹が好きだったのでビデオでも特によく一緒に見ました。
つい言葉として使ってしまう、ではなくてビデオです。懐かしのVHS。
レンタルショップが増えて、テレビ放送を待たなくても映画が見れるようになると、好きなときに家で見る機会が増えました。

子供の頃はテレビの2時間の枠で映画を見ることに疑問を持っていなかったし、たまのお出掛け先としては好きな場所ではあったけれど映画館のありがたみはあまりわかっていなかった気がします。 
転機はいつだったかな、たぶん何かジブリだと思いますけれど。
既に何度もみて流れや好きなシーンも記憶にある映画をテレビで見たときに、好きなシーンがなくて。
記憶の中の物語と、なにかが違う気がする? と首を傾げました。
○○ちゃんが△△するシーンがなかったかな、私が見逃しただけかな? です。
ようやく、"テレビの放送枠に合わせた編集"という存在に気付きました。
最近は予告や冒頭の段階で"ディレクターズカット"だとか"ノーカット"と銘打ってくださることも多いので、もっと早く気が付くことかもしれません。ここにも時代を感じます。

そこからまずひとつ。
"映画をノーカットで見る"ということに執着するようになりました。
せっかくなら、描かれた物語は全部みたい。

ところで地元には昔ながらの二本立てのミニシアターが残っています。
昔ながら、は令和になっても自由席で入換制でもなくて、飲食物の持ち込み自由なところ。
映画館で見たかったのに通常のタイミングで見逃してしまった映画、地方では上映がなかったちょっとマイナーな映画、ゆかりのある方の記念上映、検索してもホームページさえ見つけられないようなレア作品等いろいろ。
すこーしゆっくり、上映してくださいます。
基本的にはなにかしらのくくりを冠されているけれど、映画館のチョイスなので毎回2本とも「観たい✨」となる映画が揃うわけでもない。
1本見て帰ってももちろん構わないけれど、1本で出ても2本見ても同じ金額だし。
世界は広くて、まだ知らない何かに出会えたらラッキー、が常の私なので仕事おわりで最終にしか間に合わないとき以外はたいてい両方観てました。
むしろ現実逃避として、2本ともよくわからないままに暗闇に座り込むような生活をしていたこともあります。私にとっては時折シェルターでもあった。
だからこそ出会えた映画も、たくさんある。

例えば。
一旦並べます。

公式サイト
映画コム。
映画コム。


ゴッホやマイブルーベリーナイツは、お好きなお方はお好きだろうな、という印象。
独特だなぁ、と思いながら観ました。
ちょっとさみしいことに、私の周りで見た人には、いまのところ出会っていなくて。
基本どこの誰が書いたかわからないレビューを読まない私は、世間での評判がわかりません。

私は映画も好きですが美術も好きです。
ゴッホは教科書や美術館で作品に出会うことと同じくらい、ご本人を題材としたいろんな作品に触れてきた気がします。
この映画はゴッホの目線で描かれる部分も多くて、私にとっては大好きなみんなのことを大事にしたいのにうまく伝わらないこと等の哀しみがひしひしと迫ってくる作品だった。
おかげであれ以来私はゴッホの絵と正面から対峙することがちょっとこわい。
表面にあるのは明るい色でも、奥からたくさんのことが迫ってくる気がして、ものすごくエネルギーが奪われる。

少し前(今回の話を書き始めたのは2024年春)に東京へ行くことを決めて、目的以外の時間に何をしようかとイベントを探して没入型のイベントを見かけて、ちょっと気になりました。

公式サイト。画像は公式Twitterのヘッダー。

投影画像なら、あの狂おしいほどの情熱に苦しめられることはないかもしれない? と考えて公式サイトを眺めていたら、やっぱり体力が心配になったので結局伺いませんでした。

パガニーニはノーマークで出掛けていって音が好みすぎてしばらく脳内でエンドレス再生されていて大変でした。
音楽も、好きなジャンルと聞かれる度になんと言葉にするのが適切なのかわからなくて困るのですが、クラシックも好きです。
シングルCDといえば縦長で、やろうと思えばプラスチックをパキッと折ってコンパクトに収納ができていた時代を知っている私が興味が向くままに手を伸ばし続けた結果が現在です。
…………少し前に先に書き上げた話にも同じようなことを書いていた気がします。ジャンルってなぁに。
考えることを放棄しています。
ヴァイオリンの演奏シーンが多いので、手フェチさんにもおすすめできるかもしれない。

近年、そしてこのアカウントっぽい話に強引に持っていこうとするとGUCCIとCHANELの二本立ては情報量が多かった。

たぶん公式サイト

私はあの頃まだGUCCIというブランドのことに詳しくはなく(今でもあの頃よりすこし、であってちっとも詳しくはない)ので、ミケーレさんのお名前を知ったのもたぶんこの映画です。
GUCCIに限らずいろんな名品がでてきたことも興味深かった。

公式サイトは終わっているみたいなのでキネマ特報

ココ・シャネルさまのドキュメンタリー。
こちらも、エネルギーがごっそり吸い取られました。
私は香水には苦手意識が強いのでNo.5に対しての興味が薄くて、シャネルツイードも膝下丈のスカートも得意ではないのでアパレルにひかれることも少なくて。
何故か眼鏡フレームは1本だけシャネルを持っている不思議なのですけれど。
ココ・シャネルさま、生き抜く力が強すぎませんか。
尊敬しかないです。

公式サイト

マリメッコのデザイナーさんの映画もありましたね。
地元では上映館に出会えなくて、旅先でみつけたものの時間が合わなかったので映画館までは行って売店でパンフレットの購入だけしました 。
そのうち、と思いながら忘れていたのでそろそろレンタルを探そうと思います。

あの日お世話になったのは京都にある映画館。
HPをみていると音響も良さげなので、いつかシアター内にも潜入したい。
こんなことを言うから「京都まで行って、映画を観るの?」贅沢な時間の使い方ですねと、時折頂く。
見たい映画とちょうど出会えるタイミングだったのよ、だとか説明するのは手間なので「好きなことができるのがひとり旅だよね」と言って終わりです。
交通がすこしばかり不便な場所へ出掛けたときも、写経体験に行ってきた、と話をしたときと同じような反応だから、気にしません。

つい最近だと気になっていたのはジョン・ガリアーノさま。

公式サイト

とっても観たいのですけれど、案の定というかなんというか。地元では上映がなく。
今回は驚くほど、少し足を伸ばそうかと調べても立地が微妙なので、しばらく出会えなさそうです。
残念。

一番最初に何を書こうとして始めたのかわからなくなっているので思い付くままに並べてきましたが、改めて考えると私はきっと、自覚していたよりも映画が好きみたいです。
そこだけは、自信をもってよさそうだと思いました。

お気に入り映画を置いて、終わりにしようと思います。

公式サイト

2019年……もう5年も前ですか。 
こちらは封切りの日には大阪にいました。
特別版パンフレットが欲しくて梅田の映画館で購入して、映画は地元に戻ってからみました。
皆様すてきなのはもちろんですけれど、小栗さん演じる太宰の生活のだらしなさと、宮沢りえさま演じる正妻の"正妻っぷり"がね、特にすごい。心にくるものがありました。
脇を固めているメンズたちの憂いがまた、美しい。
今のところ、蜷川実花さんの撮られた映画は全部映画館で観ましたが、これが一番好きです。
時代背景のこと等もあって、実花さんの他の映画に比べるとスクリーン上の情報量が絞られていることが私にとっての映画との距離感としてちょうど良いのかもしれない。

改めて書き起こしていて感じたのは、舞台やコンサートにも通じますが私は"非日常"が好き。
だから、せっかくなら集中して映画を楽しみたいのだろうなと思いました。
だから早めに入って予告もみるし、エンドロールの最後まで座っている。
製作に関わってくださる皆様への愛を込めて、これこらも状況が許す限り、映画館に足を運びたいと思います。

今回もまた、ながくなりました。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
映画のはなし。おしまい。











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