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[小説紹介]『掟上今日子の遺言書』西尾維新
人生で初めて読書感想文を書きます。
ネタバレはしないので、気軽に読んでください^_^
購入した契機
推理小説を読んだことがなく、1冊くらい読んでみようと決意し、ブックオフに行ったところ、この本が目に止まり、タイトルに聞き覚えもあったので、購入してみました。
忘却探偵シリーズ
私もこの作品を最後まで読んで読んで初めて知ったのですが、この作品は忘却探偵シリーズ
(『掟上今日子の○○○』というタイトルの西尾維新先生の一連の作品群)の一作です。
忘却探偵シリーズは現在14作品が刊行されており、まだ完結していません。本作は第四巻です。
このシリーズは、寝ると記憶がリセットされる忘却探偵・掟上今日子が依頼人から持ち込まれる事件をほぼ一日で解決する推理小説です。
「寝る」というのはうたた寝も含まれます。寝ると記憶がリセットされるという病は後天的に発症したものなので、発症前の記憶は残っているみたいです。
寝たら推理したことをすべて忘れてしまうため、一日で事件を解決しなければならないわけですね。
本作のあらすじ
古本屋に勤める隠館厄介(かくしだてやくすけ)
は仕事帰りにビルから飛び降りた少女と衝突する。
二人とも重傷を負ったが、死傷には至らなかった。
少女の遺書には、自殺を過度に美化するような描写も含まれる漫画『チチェローネ』に影響を受けて自殺したのだと綴られていた。
このことを知った『チチェローネ』の作者、阜本舜は強い責任感を感じ、引退しようとする。
阜本に期待を寄せている編集部長で、隠館の親友である紺藤は、阜本の引退を阻止するために、忘却探偵・掟上今日子に事件を依頼する。
事件の真相は如何に。
本作の主題
作品全体を通して「表現の自由」が主題となっていると思いました。
「読者が悪影響を受けた場合、作者には責任があるのか」
本作はこの問いを読者に突きつける作品となっています。
私個人はたとえ読者が悪影響を受けたとしても、作者には責任がないと思います。
小説や漫画は毒にも薬にもなるものです。
ある作品に救われた人もいれば、悪影響を受けた人もいるでしょう(ex『人間失格』)。作品の受け取り方は読者一人一人違って、そこに作者が介入する余地はないと思うんです。
たがら、私は作家がどのような作品を創るのかも自由、読者が作品をどのように受け取るのかも自由であるべきだと考えています。
もちろんこの記事を読んだあなたが私の意見をどう思うのかも自由です。
気に入った作中の表現
「琴線にかすりもしない」という表現がすごくおもしろいと感じました。「琴線に触れる」という慣用句を前提とした応用表現、つまりは「まったく面白くなかった」ということを言い表しているわけですが、自分には思いつきそうもない(笑)。さすがプロの作家さんだなぁ。
まとめ
この記事を読んで忘却探偵シリーズに興味を持った方は、第1巻『掟上今日子の備忘録』から読むといいと思います。
私も本作をかなり楽しめたので、『掟上今日子の備忘録』から改めて忘却探偵シリーズを読んでいこうと思っています。