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アルコール依存症で亡くなった親友 #21 具合が悪いことに気づけなかった理由

具合が悪いことは知っていました。
春樹君自身も具合が悪いことは自覚していました。
しかしそれが「いつもより具合が悪いのか」気づけなかったことには、いくつか理由がありました。

春樹君は出会った頃から、20代前半の時点から
むくみやすい人でした。
お酒を飲むと顔が大きくなったり、瞼が腫れたりします。
もしかしたらその時から何か体に原因があったのかもしれないけど
20代の時点では、ただの飲みすぎ、ただのむくみだった可能性もあると思います。

そして春樹君は、標準体型で体型など全く気にしない人にも関わらず
いつも食欲不振があって
ちょっと食べすぎたくらいですぐに具合が悪くなる人でした。
摂食障害を自称していたけど摂食障害とは違うような気がします。
食べるか食べないかを迷うこともないし
体重が増えるか増えないかを考えることもない。
元々体に何か原因があったのかもしれないけど、この時は
体力もあって元気でした。
体力がない僕がへとへとに疲れている頃
春樹君はまだまだ元気いっぱいで羨ましいくらいでした。

むくみやすい、小食であまり食べられない
元々そうだったから
「いつもより具合が悪い」ことに気づけなかった。

ご飯を食べただけで汗をかいていて
代謝のいい人なのだと思っていたけど
今思うとアルコール離脱症だったのかなと感じる

手の震えも深刻な病気が隠れていたのかもしれないけど
アルコール離脱症で手が震えることは以前から聞いていたから
離脱だけが原因で起きている症状だと思っていた。

僕もたくさん食べたり飲んだりすると多少はむくむけど
ちょっと瞼のラインがぼやけたかなくらいで
塩分を摂ってもお酒を飲んでも
翌日の顔はほとんど変わりません。

春樹君の場合、昨日飲んだだろ?ってすぐにわかるくらい
明らかにまぶたや顔全体がむくんでいるように見えました。
それはまだまだ元気いっぱいであろう20代前半の頃からです。

不思議には思ったけど、色んな体質の人がいるから
体質なのかなあと思っていた。

もしも普段からあまり、むくむことがなく
普通に食べているような人が
顔がむくんで食欲が激減していたら
おかしいなと気づいたと思う。

おかしいなとは思っていたけど
それがお酒によるものなのか、病気によるものなのか
わからなかった。

たまたまなのか、元々体に病気の要素があったのか、
病気によって現れた症状の多くは
20代の頃から元々あった体質に似ていた。

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