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人生をスクロールする。

お笑い好きな私のツイッターのタイムラインには、ちょくちょくお笑いコンビが「解散します」という悲しい報告が現れる。

コンビで頑張ったけど、なかなか結果が出ず、1人はお笑いを辞め、1人はピンで頑張ります。

あるいは、ほかにやりたいことができたので、お笑いを諦めます。

という、わりとツイッター上ではありふれた報告。

でも、コンビ一組一組に、人知れぬ苦労があり、挫折し、悩み抜きながらも、お笑いをやりたいと努力してきた過去が彼らにはあった事を、なんとなく想像できる。

そして解散は、自分や二人の未来と、追いかけてきた夢の2つを秤にかけ、泣く泣く選んだ結果の答えなのだと、私は想像するのである。

やりたいことを潔く諦め、次にやりたいことに挑戦する。
二人で頑張ることを諦め、果敢にも1人で再び挑戦する。

どちらの答えを出すにせよ、勇気がないと、本気で頑張ってこないと、出せない答えなのである。

「もしかしから、辞めずに続けていたら、売れる日がくるかもしれない」

そんな考えを、「そんな事はない」と切り捨てられるくらいのやりきった感がないと出せない結論を彼らは、悩みに悩み抜きながら、出すのである。

そして、それらは彼らは誰よりも、やりたいことに全力で挑み、向き合い、悩み、そして人生に向き合ってきた結果であると私は思っている。

だから、それを、そんな重みのある「つぶやき」というよりも「叫び」をツイッターでほんの一瞬でスクロールされてしまう切なさに、私は何にも言えなくなるのである。

でも、私には、彼らを労う資格はない。

ただただ、彼らの未来をスクロールし、「いいね」し、そっと願うくらいしかできないのである。

 そういえば、去年のキャリアコンサルタントの講座中、「もし、活動休止を発表した嵐のメンバーが相談に来たらどうするか」という話題になったことがある。

私が考えた答えは。

ひとまず、第一線として、今まで頑張ってきた事を労い、大きな決断をした気持ちに寄り添い、ラポール形成を図る。
そして、芝居、司会、ダンス、歌など、今までの経験やスキルついて詳しくお伺いしながら、好きだった事、好きではなかった事、得意な事、苦手な事などについて詳しく話して頂きながら、自己理解を深めて頂く。
そして、休止中や活動再開後、来年、5年、10年後、何をしていたいのかをゆっくり一緒に考えながら、キャリアプランの作成ができるよう支援していく。

(ちなみに、これは、資格取得後、何もしていない私の答えで、ダメダメなので、ご容赦下さい。)

そもそも、私には、さっきも書いた通り、青春を、命を、かけて頑張ってきた彼らを労う事なんて、おそれ多くて、出来ないのである。

「ずっと、頑張ってきたのですね」
「悩みに悩んで出した答えなのですね」
「諦めなきゃならなくて、すごく悔しんですね」

私の取って付けたような言葉は、彼らのため息一つで吹き飛んでしまうくらい薄っぺらい。

彼らを労うには、私はまだまだ苦労が足りないのだろう。

彼らの抱いていた夢を、諦めざるを得なかった夢を、努力し苦労してきた日々を、彼らの新しい決意を、たった数行の文章に折り畳まれ、スクロールされてしまう悔しさは、私には計り知れないのである。

私に本当の労いができるようになる日は来るのだろうか?
本当に寄り添える日が来るのだろうか?

きっと、もっと先だろう。

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