駒大苫小牧-横浜 2004年夏の甲子園準々決勝
「ふぅ~っ」
横浜は最後となる3度目の守備のタイムを使うことを余儀なくされ、エース・涌井秀章はマウンドで大きく息を吐きだしました。
台風が接近中の甲子園球場は、どんよりした曇り空。試合後に語ったように「どこに何を投げても打たれ」てしまっていた涌井の胸中を表すかのように。
プロ注目、それどころかドラフトの目玉との呼び声も高かった涌井。実際にドラフト1巡目で西武に入団し、最多勝に4度輝くほどの大投手に成長しています。
2004年の横浜は、公式戦でも練習試合でも、涌井が投げた試合では無敗。
唯一引き分けたのが、ダルビッシュ有(のちに日本ハム、レンジャーズなど)を擁する東北(宮城)との練習試合でした(0-0)。それ以外はすべて勝っています。
涌井さえ投げれば勝てるはずなのに、ここまで被安打14で6失点とメッタ打ち状態。
いったい何が起きたのか―――
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