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【田舎暮らし】国内初!移住プランナーを目指して・・・|#自分で選んでよかったこと
4月29日23時、私の乗ったフェリーが、明かりの少ない小樽港に到着した。
まだまだ春とは呼べない冷たい空気が、車の窓を開けると入り込んできた。
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私の車の横を、たくさんのツーリングバイクが並んだ。
厚手のジャンパーを着こみ、長期休暇を利用して、春の北海道を楽しむのだろう。
興奮する彼らの鼓動が、バイクのエンジン音として聞こえてくる。
その彼らと同じく、私も鼓動の高まりを抑えられないでいた。
今日から私は北海道で暮らすのだから・・・・
年齢40歳。
3月末で私は会社を退職した。
これまで住んでいた大阪のマンションも引き払った。
そして、妻と小学生の子供は実家に返し、私一人が北の大地に降り立ったのだった。
そう、私たちは、1日の中で何百回も選択をしている。
朝目覚めて、起きるのか?それとももう一度布団をかぶるのか?
そして、常に自分自身で最良の選択をしている。
また、私たちは、長い人生の中で重大な選択をいくつか迎えることがある。
進学、就職、結婚・・・
今まさに、私は重大な選択を行った。
「田舎暮らし」という選択だ。
会社では中間管理職。
社会では常識ある大人。
家庭では責任ある家長である。
その私が、17年間勤めた会社を退職し、「田舎暮らし」と言う選択を行った。
両親には涙を流させてしまった。会社を退職するのは、神経がすり減ってしまった。
この選択が本当に正しかったのか?
その結果は、随分と先にならないと解らないだろう。
私は小樽港から深夜の道を約3時間走った。
そして、目的の小さな町に到着する。
私の新たな人生はここからスタートする。
私はここで、国内初の「移住プランナー」として活動を開始するのだった。
2年前にFP(ファイナンシャル・プランナー)の資格を取得し、準備を進めてきた。
まだ、国内には誰もいない。移住専門のFP(ファイナンシャル・プランナー)を目指すのである。
田舎への移住を希望する人のサポートが生業となる。
そのためには、私自身も「田舎移住」を経験しておく必要があった。
だから、にぎやかな大阪の町を離れて、北海道の小さな町に移住をしたのだった。
あれから18年の歳月が過ぎた。
私が小樽に到着した半年後に、妻と小学生の子供を呼び寄せた。
そして、現在、子供はすでに成人し、社会に出ている。
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この18年間、私は会社勤めでは得られない経験をたくさん得ることができた。
そして何よりも、この18年間で約2,500組の移住希望者の相談に応じた。
そして、約300組の移住をサポートすることが出来た。
田舎に移住を希望する人は、大きな夢を抱いている。
私は300組の夢の実現をサポートした。
但し、私は300組の人生に影響を与えてしまった、責任も抱えることになった。
それでも、たくさんのたくさんの感謝の意を受けることが出来た。
なんてすばらしい仕事なのだろうか。
18年前のあの選択。不安であった選択。
今、その結果を求められるのであれば、「あの時の選択は良かった」と胸を張って言えるだろう。
もちろん、移住をサポートした300組の皆さんにも、「移住と言う転機を選んで良かった」と言ってもらえるだろう。
そして、私はこれからも「田舎暮らし」の良さを伝えていくことだろう。
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(終わり)
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