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夏の夜の詩

眠りに落ちる時
雨蛙の声と知らない虫の声とが遠くから聞こえてくる
畳の感触が伝わるほどに 薄い布団を引いていて
乾いた草の 匂いが伝わる

夜風が ベランダの網戸から穏やかに流れてきて
火照る体を撫でていく

夜がひっそりと息をしている
夜が深く夜気を吸い込んでいて
それを音も出さずに吐き出しているような
夜全体が 大きく空を包みながら
膨張しては、収縮して
夜は夏の夜