無駄分

音のない世界で静かにこそこそと動き続ける魔物。枕の裏に棲みついた悪夢と対峙する魔物。無音は無音ではないからさみしくはないけれど、旋律が無いから、簡単な言葉に言い換えてあげたら寂しいの。さみしいを、寂しいに、淋しいに言い換えるだけで、どうしてこんなにもフェミニンになってしまうのだろう、さみしい。だから、いますぐ口づけをして?枕の裏の悪夢を殺した返り血が、灰色で廃色で。こそぎ落としたくても落とせなくて音せなくて、きもちわるいの。

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