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劇団員と客演

先日、劇団の巡演公演のキャストオーディションでした。

若い人材が不足している劇団(特に児童劇団)では、

一つの作品の出演者を劇団内だけでまかなうことができなくなっています。

そこで、どうするかというと他劇団やフリーの役者を雇って作品の座組を作ります。

一昔前はプロデュースユニットなんて呼ばれていました。

この流れは年々進んでいるし、これからも進むことでしょう。

劇団員よりも客演の数の方が多いことも珍しくなくなっています。

若い劇団員は減少しているが、モデル事務所やタレント事務所の数は増えていて、そこには若い役者志望が大勢いるわけです。

そういったプロダクションは所属タレントの実績や経験作りのために、演劇の舞台へ出演させます。

そういった両者の思惑が一致し、劇団の公演にプロダクションのタレントが出演することが増えているのです。

劇団に所属している劇団員よりも、客演で参加する方が待遇が良かったりします。

劇団にとっては客演は手伝ってくれている外部の人であり、

劇団員は身内だから、劇団員に責任や作業の負担がのしかかるというわけです。

キャスティングを決める演出家にしても、どうしても身内の劇団員よりも外からきた役者の方が魅力的に見えるから使いたくなリマス。

そんな時、ある寓話を思いだします。

それはこんな話です。

羊飼いが新しい羊の群れを見つけた。

彼はその群れを自分のものにしたくて、自分の羊達の餌を取り上げて

新しい羊の群れに与えた。

そうして、新しい群れを自分のものにしようとしたのだ。

ところが、新しい羊達はそうはならなかった。

羊飼いが

「どうして餌を与えたのに、自分の群れになってくれないんだ?」

と聞くと羊たちはこう言った。

「また新しい群れがやってきたら、あなたは私達の餌を取り上げて、新しい群れに渡すんでしょ」

自分は劇団にいる団員達を大切にしたい。そう思うのです。



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