知識の共有
演劇を初めてすぐの頃、まだ演技なんて何にもわからなかった時、先輩にアドバイスを求めるとこんなことを言われたことがある。
「自分が獲得した演技のノウハウを、そう簡単に人には教えれないよ」
同じ劇団内とはいえ、役者は全員ライバル。
だから自分が苦労して得た知識や技術を他人に教えてしまうと、自分の優位性が無くなってしまう。
そういう理屈だったと思う。
当時は「なるほど、この世界は厳しいんだなぁ」
と思っていた。
まぁ、実際は個人の感覚は言葉にしにくいし、他人に教えにくいというのもあったのだろう。
しかし、時代は変わってあらゆる知識がオープンソース化して、共有されるようになってきた。
それでも、こうした考え方って社会のいろんなとこに残っているなと思う。
野球の話になるけど、ダルビッシュ選手がYouTubeで話していた。
セリーグは他のチームに球場のトレーニングルームを使わせないそうだ。
パリーグは違って、ダルビッシュ選手は若いころ、ホークスのフィジカルコーチの人に、誰々はこうしたトレーニングをして、こういうサプリをとってるって教えて貰っていたという。
他者の妨害をすることで自らの地位を保とうとするか。良い知識はどんどん共有して、お互いに高めあおうとするか。
どちらがその業界の未来にとって良いことかは、誰だってわかると思う。
しかし、実際はプロスポーツの世界でもそうなのだ。
省みて考えると演劇業界も、知識や情報を囲い込んでることが多い気がする。
良い知識や情報は、どんどん共有して行かないといけないなぁ。
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