大学で1000冊の本を読む50の方法(1)
本を「1000冊」読んだら、自分の人生を変えられるか?
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俺は滑り止めの大学に入学したものの、無気力な毎日を過ごしていた。
授業には一応出席しているものの、
真面目に勉強しているとは言えなかった。
かといってサークル活動に打ち込んだり
アルバイトをしているわけでもない。
キラキラした大学生活とは無縁の日々。
「死にたくもないけど、生きたくもない」
そんな自分に心底うんざりしていた。
自分を変えたかった。
受験勉強に全力で取り組んだわけでもなかった。
親友と呼べるような友達も、今までいなかった。
ただ、読書だけは高校時代から好きだった。
たった18年しか生きていない自分ごときの人生。
死ぬほど読書すれば、
この閉塞感も乗り越えられるんじゃないだろうか?
そんな気がした。
100冊では足りなさそうだ。
「1000冊くらい読んだら、自分の人生を変えられるだろうか?」
そう思った俺は、とりあえず大学生協の書籍コーナーに
行ってみることにした。
大学で1000冊の本を読む50の方法 その1:大学生協に行く
大学生協は缶コーヒーなどを買いによく訪れていたが、
書籍エリアはあまり覗いたことがなかった。
書籍エリアは広いとは言えず、
コンビニの雑誌コーナーと同じくらいのスペースが設けられていた。
「とりあえず軽く読めそうなエッセイにしてみるか」
有名な作家のエッセイ。文庫本で660円。
書店より本の選択肢が少ない分、迷わず選ぶことが出来た。
本を購入し、大学生協の目の前にある
フリースペースの椅子に座って読んでみた。
高校の時にこの作者の小説を読んだことがある。
エッセイは作者の日常がゆるく書かれていた。
ものすごく面白いってわけじゃないけど、ほどよく力を抜いて読める。
40分くらいで半分ほど読み終えた。
続きは家に帰ってから読むことにした。
大学で1000冊の本を読む50の方法 その2:本を買ったらすぐに読む
昨日購入したエッセイは、その日のうちに読み終えた。
2冊目は小説にしてみよう。
講義が終わった後、再び大学生協に足を運んだ。
今日は少し厚めの小説を選んだ。880円。
なかなか読み応えのありそうな本だ。
昨日と同じ場所、大学生協前のフリースペースで小説を読み始めた。
「なんか、あんまり面白くないな……」
あくびをしながら読み進めた。
50ページくらいで飽きてしまい、
文庫本をバッグにしまって帰宅することにした。
家で続きを読んだが、一向に面白くなる気配がない。
結局その日はだらだらとYouTubeを見て寝てしまった。
大学で1000冊の本を読む50の方法 その3:つまらない本は無理に読まない
1000冊の本を読むのに、
一体どれくらい時間がかかるのか考えてみた。
1日1冊のペース読んだ場合、
365日×3年=1095日
約3年で1000冊読める。
そう考えると大学生のうちに1000冊読むのは
無謀というわけでもなさそうだ。
しかし、大学の講義に出なければいけないし、レポートや試験もある。
いずれは就職活動をしたり論文を書かなければいけない。
もう一つ問題がある。
お金だ。
本の値段を1冊1000円と仮定し、1000冊購入すると100万円必要になる。
アルバイトでそんなに稼げるだろうか?
そもそもアルバイトで100万円稼ぐには
それなりに長時間働かなければいけない。
そうなればアルバイトに時間を費やした分、読書できる時間は確実に減る。
時間とお金、両方の問題をクリアしなければならない。
「1000冊は厳しいか……やっぱり500冊、いや200冊でもいいかな」
早くも俺の意思は揺らぎ始めていた。
大学で1000冊の本を読む50の方法 その4:読書計画を立てる
今日は土曜日だ。
大学には行かず、古本屋に向かった。
中古の本を買って少しでも出費を抑えようという作戦だ。
「千里の道もなんとやらって言うしな」
古本屋に向かう電車の中で、自分に言い聞かせるように呟いた。
駅前の大きな古本屋の品ぞろえは、一般の本屋に負けていなかった。
本が多くて目移りしてしまう。
面白そうな本を手に取ってみて、最初に確認するのは値段。
この本は500円する。残念だが見送ろう。
100円の値札が貼られている本を3冊購入した。
大学で1000冊の本を読む50の方法 その5:古本屋に行く
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