真山仁「疑う力」
社会で常識とされていること、当たり前だと思われていることを疑う
政府官邸の情報が信用できない
世間で当たり前とされている常識に違和感がある
デマやフェイクニュースに騙されたくない
世の中の何を信じていいのか分からない
このように感じている人は少なくないはずです。
情報に触れたら、何でもかんでも否定すればいいのでしょうか?
世の中は嘘にまみれていることに、絶望するしかないのでしょうか?
そうではありません。
「疑う」というのはただ否定することではなく、
その情報に違和感があったら、事実を検証しようとする姿勢です。
情報を鵜呑みにせず、立ち止まって考える力です。
本書は大学での講義を基に構成された本です。
「民主主義」「選挙」「エネルギー問題」「戦争」「安全保障」
といった、人によって意見が大きく異なるテーマを中心に、大学生たちがレポートを書いたり、議論を行った講義が基になっています。
本書を読んだ正直な感想は、
「日本のこととか社会のこと、今まで私は何も考えてこなかったな」
です。
民主主義が何かなんて、考えたこともなった。
noteで「民主主義とは何か」というタイトルの本を紹介されている記事を拝見させていただきました。
Amazonの「後で買う」リストに放り込んでいたものの、買うのを保留していた本です。
良い機会なので購入しようと思います。
疑う力を付けるにはどうすればいいか
著者はアガサ・クリスティーのミステリー小説を読むことを通して、疑う力を養うことを勧めます。
嘘を見抜く力を身につけるには、
たくさん騙されて学ぶしかないと著者は言います。
ミステリー小説を読むことで、
騙される訓練をしようというのが著者の提案です。
そしてミステリーに限らず小説を読むことで、
疑似の人生体験を積むことができます。
ちなみに私はアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を購入して読んでみました。
ネタバレになるので詳細は伏せますが、やはりというか当然というか、犯人は当てられませんでした。
「犯人はこいつだろう!」と思って読み進めましたが、著者の思惑通りに誘導され、まんまと騙されたようです。