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大学で1000冊の本を読む50の方法(2)

前回の話はこちら。


古本屋で買った本はなかなか興味深かった。

いわゆる自己啓発書で、書いてある内容はシンプルだったが
ちょっとだけ元気をもらえた。自己肯定感が高まった気がする。

今日は大学の近くにある本屋に来た。
1000冊読むという目標を立てて以来、
本屋に通うことが習慣になってきた気がする。

自己啓発書のコーナーに寄り、立ち読みしてみる。
書いてあることは確かにためになりそうではある。
しかし値段が少し高い。1400円。

スラスラ読めるが、ありきたりなことしか書いておらず
中身が薄いと感じた。
立ち読みで読み終わってしまいそうだ。
この本の購入は控えることにした。

文庫本コーナーに移動した。
これまでエッセイ、小説、自己啓発を読んだから、次は何にしよう。

この前、大学生協で買った小説は
つまらなくて途中で読むのをやめてしまった。
今度は別の作家の小説にしてみようかな。
挫折しないように軽く読めそうなものにしよう。

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その6:本屋に通うことを習慣にする


次の講義まで少し時間があるので、俺は教室で小説の続きを読んでいた。
大学の教室は高校と違って、誰がどの席に座るかは決まっていない。
自由に好きな場所に座ることができる。
そのため後ろの方から埋まっていくことが多かった。

やる気のある学生は最前列に座るが、
後ろの席は仲良しグループで固まりやすい。

俺はどちらでもない真ん中あたりの席に座った。

情報学部に入学した当初は、
てっきりプログラミングばかりやらされるものと思っていたが、
意外と一般教養の講義が多かった。
数学、英語などは必修だが、
化学や物理、文学など、希望すれば自由に受講できるものもあった。

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その7:スキマ時間に本を読む


隆二りゅうじ君、何の本を読んでるの?」

後ろから声をかけられたので、本から目を離して女性を見つめた。
名前はたしか――西野円佳にしのまどか
俺と同じ情報学部の1年生だ。

情報学部は男子学生が多く、女子学生は目立ちやすかった。
その中でも西野円佳は、誰にでも気さくに話しかける社交的な性格なので
特に目立った。

「小説だよ。小松小鞠こまつこまりって作家の本」

「コマコマ先生の本! 私も読んだことあるよ。面白いよね」

「そうだね。シリーズ化されてるけど、どの話も読みやすくて
 テンポが良い。今度映画化もされるらしい」

「映画化されるなら観てみたいな。あっごめんね、読書の邪魔
 しちゃって」

「大丈夫だよ」

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その8:本について友達と語る


今日も雨は止まなかった。
今は6月、梅雨だからだ。

本を1000冊読むという目標を立てて1ヵ月が経過した。
元々本を読むのは好きだったので、無理なく続けることができた。
これまでに読んだ冊数は20冊。

講義はたまに寝坊してサボることもあったが
基本的にはちゃんと出席していた。

7月には期末試験があるので、
そろそろ読書量を減らしてちゃんと勉強しなければならない。
読書に時間をかけすぎて必修科目を落としてしまうわけにはいかない。

授業を欠席してしまった分のノートは、
同じ講義を受けている人にコピーを取らせてもらえないか
頼んでみるしかなさそうだ。

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その9:講義をサボらない


期末試験が終了した。
この1ヵ月間は試験勉強のため、ほとんど本を読めなかった。
試験の手ごたえはあまり良いとは言えず、
いくつか単位を落としたと思う。
後期は受講数を増やさなければいけないかもしれない。

本を読めなかった理由はもう一つある。
単発のアルバイトを行ったのだ。
試験監督のアルバイトをした。

もちろん自分が通う大学の試験監督ではない。
近くに短期大学があり、
その短期大学の試験監督に応募したのだ。

女子短大なので構内に足を踏み入れるのは少し緊張した。
女子ばかりの光景を想像していたが、意外と男子もちらほら見かけた。
短大生の彼氏とかだろうか?
あと、当然だが教員や職員の中には男性もいた。
試験監督のアルバイトは立ってるだけでいいので非常に楽だった。

これから夏休みだが、アルバイトをするつもりはない。
確かにアルバイトで社会経験を積むのも大事なことだと思う。
しかし俺は読書に専念したい。

「学生時代にアルバイトはしなくていい」
以前読んだ自己啓発の本にそう書いてあった。
それが果たして正しいのかどうかは知らないが、従ってみようと思う。

学費を払ってくれる親には感謝しなければいけないと思った。

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その10:アルバイトに打ち込まない


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