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一杯のコーヒーに込められた背景を味わう
「コーヒー」と聞くと、カップに入った飲み物を想像する人がほとんどでしょう。しかし、私たちが楽しむ一杯がどのように作られ、どれほどの労力と情熱が込められているかを知る機会は、意外と少ないものです。
今回、ルワンダの首都キガリのOne Cupさんで行なっているコーヒーワークショップに参加して、コーヒーが「飲み物」である前に「農産物」であり、また「人々の文化や生活の一部」であることを学んできました。
コーヒーづくりの驚き
コーヒー豆がどのように栽培され、加工されるかを初めて目の当たりにしました。まず、実際に木になっているコーヒーチェリーに触れ、その味わいも体験することができました。
赤く熟した果実は、どんな味でしょう。苦いのかと覚悟していましたが、噛むと酸味と甘さがあり、まるでチェリーを思わせる味わいでした。
かつては手作業で摘み取り、乾燥させたコーヒーチェリーを、今でも多くの農家では丁寧に手で処理しています。特に、果実を残したまま乾燥させると酸味が増し、果実を取り除くと深みのある「コーヒーらしい」苦味が出ることに驚きました。シンプルな処理方法でも、その風味が変わります。
次に、臼や杵を使い、乾燥させた豆の薄皮を剥がし、土でできた鍋で焙煎する方法を教えてくれました。今回僕たちが加工したコーヒー豆はほんの少しだったのですが、作業で軽く汗をかくほど。これを毎日のように大量に加工していたと考えると大変です。
これらの昔ながらの手法で作られたコーヒーは、僕たちが日頃飲むコーヒーとは異なり、素朴で香ばしい風味が広がりました。その場で飲んだコーヒーは格別で、思わず「美味しい」と口にしてしまうほど。
知ることで美味しく感じる一杯
知識が増えると、味覚も変わる。今回の体験で、「飲む」以上の価値をコーヒーに見出すことができたような気がしています。単なる飲み物ではなく、その背後には歴史、文化、そして育てた人々の愛情が隠れています。そうやって想いを馳せると、コーヒーが一層美味しくなる。
これは「情報を食べている」とは違って、一つひとつの食の背景には、生産者がいて、その土地があり、太陽があり、地球があると想像することで、自然と感謝の気持ちが生まれることに近い気がします。
ただこれができるのは、僕が食べるのが好きだからです。
以前、アメリカ旅行中に自由の女神を見て、「ただのコンクリートじゃないか」と思ってしまったことがあります。これは僕が全く歴史に興味を持っていなかったから。もし歴史的背景や建造のストーリーを知っていれば、見方もきっと変わっていたでしょう。
「食を楽しむ」ということは、単に味覚を満たす以上の行為。その背景に想いを馳せ、育ててくれた人々や環境に感謝しながらいただくことに、本当の意味があるのだと改めて感じました。
以下の有料記事では、ルワンダのコーヒーがどのようにして僕たちの手元に届くのか、その道筋を探り、地域コミュニティが品質向上と発展に向けて行っている努力もご紹介します。興味がある方は購入してみてください。
これを知っておくと、今日飲むコーヒーがより美味しくなるかも。
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