出口治明氏の間違いだらけの イスラム理解
ダイヤモンド・オンラインが立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明氏による「間違いだらけのイスラーム教!日本人は、なぜこうも誤解してしまうのか?」という記事を出しています。
出口氏については、次のように紹介されています。
世界1200都市を訪れ、1万冊超を読破した“現代の知の巨人”、稀代の読書家として知られる出口治明APU(立命館アジア太平洋大学)学長。歴史への造詣が深いことから、京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義では世界史の講義を受け持った。その出口学長が、3年をかけて書き上げた大著が、ついに10万部を突破した。「ビジネス書大賞2020特別賞(ビジネス教養部門)」を受賞し、大手書店でも「GWに読んでおきたいビジネス書」として大きく展開されている。
「現代の知の巨人」とされる出口氏の当該書『哲学と宗教全史』は、私が『イスラム教再考』で何度か言及した本でもあります。私はここで、出口氏のイスラム教理解はいろいろと、根本的に間違っている旨を具体的に指摘しました。
ところがダイヤモンド・オンラインによると、『哲学と宗教全史』は10万部を突破し、「ビジネス書大賞2020特別賞(ビジネス教養部門)」を受賞し、池谷裕二氏(脳研究者・東京大学教授)が「世界でも選ばれた人にしか書けない稀有な本」、なかにし礼氏が「世界に初めて登場した名著」と絶賛し、
大手書店員が「百年残る王道の一冊」と評しているそうです。
これは由々しき問題です。しかも出口氏は、このダイヤモンドのインタビューで、また滔々とイスラム教について間違った説をご披露下さっています。
出口:イスラーム教は、ユダヤ教とキリスト教と同じYHWH(ヤハウェ)を唯一神とするセム的一神教です。最後の審判で救われた善人は天国へ、悪人は地獄に行きます。そして唯一神YHWHをアッラーフと呼びます。アッラーとも呼ばれますが、現在ではアッラーフの呼称のほうが一般的なようです。
いきなり冒頭からおかしいですね。
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