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THE POOL ザ・プール ~ Z級なのに激面白い映画の話

休みなのでAmazonプライムビデオで「THE POOL ザ・プール」っていう映画を観ました。

ネタバレしまくっているんで、これから観る人は注意してください。

観る映画を選んでたらこんな紹介文が載ってる映画があって、それを読んだだけでB級以下のアホっぽい映画で楽しめそうだと思いました。

▼THE POOL ザ・プールあらすじ
プールに浮き輪で浮かびながら眠りに落ちてしまったデイは、翌朝、水が抜け始めた深いプールから上がれなくなってしまう。すると、運よくデイの彼女がやって来るのだが、彼女は足を滑らせ、飛び込み台に頭を強打、そのままプールに落下して意識を失ってしまう。

やがて、すっかりプールから水が抜け、脱出口となるはずのマンホールが露わになるのだが、今度はそのマンホールからワニが現れ、マンホールを占領されてしまう。脱出不能の空間に凶暴なワニと餌となった二人。激しい日差しに、灼熱化するプール。飲まず食わずで衰弱していく二人は、果たして脱出できるのか?!

Amazonプライムビデオの紹介文より引用

90分と手頃だし、観てみたら大正解。超面白かったです。これを書いてる2024年11月現在、アマプラで無料で観れました。超おすすめです。

ただしアホ映画の極致だからそういうのが好みでない人は怒り狂うかもしれません。


登場人物全員アホ

プールが深すぎて脱出できなくなっちゃったっていうワンシチュエーションで進行する映画なんで、出てくる人も少ないです。

主人公の男、その彼女、その友達、近所でラジコン遊びしてた2人、ことごとく全員アホ。ワニもアホ、犬もアホ。

アウトレイジだったら「登場人物全員悪人」でお馴染みですが、ザ・プールは「登場人物全員アホ、ワニと犬もアホ」です。

主人公がアホでおもろい

そもそもこうなっちゃった原因が、水が抜けつつあるプールで主人公がゴムボートに乗ってくつろいでるうちに寝ちゃって、起きたら水位が下がって登れなくなっちゃったっていうんですから、自業自得としか言いようがないんです。

水が抜けていることに気づいてなかったとかじゃなくって、冒頭で「水抜くから早く帰れ」的なことを言われてるんですよ。言われてるのに!  

そういうアホたちの行動を見てイライラすることもないのがこの映画の良いところ。ツッコミを楽しみつつテンポ良く展開するお話やアクションを楽しめるんです。

いっさい笑わそうとしてませんし、スリルと絶望の連続みたいな映画なのに、なぜか観てる間ずっと笑顔になっちゃうっていう。

彼女がアホを超えたクレイジーでおもろい

主人公がなんとか脱出しようと四苦八苦してるところに彼女が登場。

この時点ではまだ水は干上がってはいないものの、上から見たって水位が下がってて一度降りたら登れなくなることはわかり切ってるはずなのに、能天気に飛び込もうとしやがるわけです。

主人公はやめろ!と必死に叫ぶんですが、その声にびっくりして足をすべらせて転び、飛び込み台の角に後頭部強打して大怪我&気絶。せっかく助かると思ったらこの体たらくですよ。

このまま彼女が助けを呼びに行ってしまったら映画が15分で終わっちゃうのでこうなったわけですが、あまりのアホさに思わずにっこり。

その後意識が戻った後も、妊娠してて子どもを産むだの産まないだの主人公と揉めてみたり、なぜか上から落ちてきた糸電話で愛をささやいてみたり、思い出のオルゴールをワニのリスクにさらして主人公に取りに行かせたり、この極限状況でものすごいアホっぷりを発揮。

これにはさすがにちょっと引いちゃいました。

意外と襲ってこない空気読めるワニ

とってつけたような伏線(のつもり)がけっこう出てくるんですが、まずプールサイドの草むらに落ちてる新聞紙に「洪水でワニが脱走」っていう記事。

それから主人公に「水抜けるから早く帰れよ」と言って去って行った友達が戯れにガムテープを主人公に向かって投げつけます。

冗談で手近にあったガムテープを投げつけたわけですが、ガムテープはプールの中に落ちて、脱出に使うアイテムがここで用意されるわけです。

そして主人公がそのガムテープをゲットしようとしたらこれですよ。この映画で一番笑ったシーンです。

決死の覚悟でガムテープをゲットすることに成功するわけですが、結果的にそのガムテープはたいして役に立たないっていう。そりゃ、深いプールからの脱出にガムテープって使い所がそんなにないです。

で、プールと底の排水口の奥の水路っていう限定された行動範囲の中でワニの恐怖にさらされながら脱出を目指すんですが、そのワニが案外襲ってこないんです。けっこう寝てるっていう。

映画的な盛り上がりが欲しいタイミングになると「さてと、そろそろひと仕事」みたいな感じで襲ってくるっていう、アホというかわかってるヤツなんです。

飲まず食わずの主人公たちのために卵まで産んでくれるんですから、本当に映画を面白くするための行動に努力を惜しまないヤツです。メスだったのか。

全力出せば一瞬で仕留めることができるのに、映画のことを考えてくれてる感じがおもろいです。

活躍しそうでしない犬

主人公の飼い犬はプールサイドにいるわけですが、アホ犬でかわいいです。

糸電話とか、鉄パイプとか、アイテムを時々上から落としてくれるんですが、忠犬のエピソードで時々耳にする、助けを呼びに行くみたいな行動はしません。なんかずっと上にいます。

そう言えば、犬唯一の活躍は鉄パイプを落としたことなんですが、その鉄パイプはかなり早い段階で落としてるし、ワニに対抗する武器として切り札になりそうなのになぜか主人公がそれをずっと使わないんですよ。

犬も犬だけど飼い主はもっとひどいですねえ。映画観てる間ずっと、その鉄パイプのことが気になっちゃいましたよ。早く使えと。

なんだかんだで最後はその鉄パイプでワニをやっつけるんですが、結局使うんかい!笑いました。

ラスト近くの主人公のピンチで犬が「ご主人さま~!」って感じで上から飛び込んで来るっていう一見忠犬っぽい行動を起こすんですが、首輪にヒモついてるから当然首吊り状態になっちゃう。アホ。

そして最終的には、首吊り状態の犬につかまって主人公がプールサイドまで登り切ることに成功するんですが、極限状態とは言え首吊り状態の犬の体につかまってぶら下がるっていうのがちょっと鬼畜で笑いつつ引きました。

ラジコンおじさん

2人のおっさんがパラグライダーのラジコンで遊んでたらプールの底にラジコンが落ちてしまい、それを取りに行くのに上にあったハシゴを掛けて主人公のいるプールの底へ降りてくるわけです。役名すらないけど重要人物なんです。

それにしてもこの2人、ドリフ大爆笑のいかりや&仲本のバカ兄弟みたいな感じで笑うポイントです。

主人公は彼らが降りてきたとき気絶中で助けを求めることには失敗しますが、彼らはハシゴを掛けたまま去っていきましたからこれは脱出の千載一遇のチャンスです。

喜び勇んでハシゴを登ってたら、ハシゴについてたヒモが転がるドラム缶に巻き取られてハシゴが上へ上がってしまって脱出失敗っていう絶望。なにそのピタゴラ装置みたいなの。

アホだろうとなんだろうと面白いもんは面白い

悪口ばっかり言ってるみたいになってますが、そうじゃないんです。だって、映画自体は最高に面白いんですから。

ストーリーやその見せ方のテンポがすごく良くって、ハラハラドキドキの連続です。でも、笑うポイントが定期的にやってくるので楽しいハラハラドキドキです。ある意味新鮮な体験です。

やることなすこと全部失敗して絶望に次ぐ絶望、この期に及んでまださらに状況が悪化するのかって感じなんですが、なんだかんだで頑張ったらそれが報われて脱出成功。

犬は死んじゃったけどカップルは助かってめでたしめでたし、というところでダサいハリウッド映画のエンディングみたいな壮大な音楽が流れて、アホなのにその壮大さに最後の爆笑。笑いと大団円で映画は幕を閉じました。

アホが嫌いな人には向きませんが、最初から最後までずっと面白かったです。超おすすめの1本です。

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