ホーリー・トイレット ~ 激面白シチュエーションスリラーの話
前から題名は聞いたことがあって、面白いとの評判だったので今回観てみました。これを描いてる2025年1月現在、アマプラ特典で無料でした。以前は有料レンタルだった気がします。
ネタバレして書きます。
これから観ようっていう人にちょっと注意してほしいのは、思ったよりグロいです。痛いです。さらに汚いです。傷だらけになった上にクソまみれなんで、病気になりそうです。そういうの苦手な人は避けた方が良いかも。
シチュエーション・スリラーってアイデア勝負で、映画撮る人があの手この手でこっちを楽しませようとしてくるんで、面白い作品が多いです。「リミット」なんてその決定版だと思います。
「リミット」は埋められた棺の中、謎空間に閉じ込められる「キューブ」、超高いアンテナ塔の上っていう「フォール」とか色々ありますが、今作では仮設トイレの中です。
主人公のおっさんが気がついたら横倒しになった仮設トイレの中。それだけだったらなんとかなりそうですが、右腕を鉄筋が貫通していて、痛いし動きが制限されるしで絶望的な状況です。
さらに現場はリゾートホテルの建設予定地で、今ある建物を爆破することになっています。そして爆破予定時刻まで30分くらいしかないことが判明します。
・・・と、状況的な条件が提示されてその後主人公があの手この手で脱出や、外部との連絡を試み続けるっていう話です。
閉じ込められ系スリラーとしてはお約束の展開なんですが、トイレの中にある色んなアイテムを使ってなんとかしようともがくっていうのを楽しむ映画です。それぞれの仕掛けがとても面白くて、撮った人のアイデア勝ちです。
主人公は建築士で、現場となるリゾートホテルの建設にも関わっている人物ですから、手持ちのアイテムとして光学式の距離測定器とか、折りたたみ式の竹定規とか、ちょっと変わったものを持ってるんです。
途中のシーンでトイレのドアの隙間から距離測定器を使って何やら距離を測って図面を書いて、三平方の定理的な感じで色んな距離を割り出してっていうところがあったんですけど、そのくだりはあんまりその後に続いてなくてちょっと残念でした。面白くできそうな要素だっただけに。
終盤は一気の展開で、超痛グロい方法で腕から鉄筋を引き抜いた後、この事故(事件)の黒幕の、しぶとくてタチの悪いヤツとの対決となります。
なんせ悪役がしぶとくてタチが悪すぎて、そろそろ終わりかと思ってからさらに2段階くらい最悪の展開が続きますが、なんだかんだでハッピーエンド。ああ痛かったって感じでした。
こういう閉じ込められ系スリラーは面白いのが多いんですが、多分こういうタイプの映画を撮ろうって思う人は観客を楽しませるアイデアを持ってるからこそ撮ろうと思うわけで、結果良い映画が生まれるんだと思います。
この映画もその例に漏れず、90分ずっと面白く観られる傑作でしたよ。