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【 JC論考 】 会議は、「一座建立」 ② | 会議時間を短くするには?

会議は、「一座建立」

みんなでより良い場にする

茶道の言葉に「一座建立」という言葉があります。
これは、主客(招く側と招かれる側)がお互いに思いやる心を持ち、「その場をより良いものにしたい」という気持ちで通じ合うこと主客一体となって座を盛り上げることを意味します。

「一座」とは、集まりの一席、同席の者全部。
「建立」とは、築き上げること。

会議も正に同様で、全員の協力がなければ、会議の質を高めることも、会議の時間を短くすることもできません

例えば、決める会議の「理事会」を2/1に開催する場合、JCI猪苗代では、原則次のようなスケジュールになります。

■ 五役会(理事長、監事、副理事長などによる上役会)
① [1/18]エントリー
・開催7日前。
・副理事長より上程内容を専務理事に連絡。
・専務理事はエントリーに基づき、会議案内やアジェンダを作成。
② [1/20]会議資料提出
・開催5日前。
・専務理事は内容を確認し、誤字脱字、リンクエラー、コンプライアンスなど不備をチェックし、アジェンダを作成。
③ [1/21]五役会案内
・開催4日前。
④ [1/22]アジェンダ展開
・開催3日前。
・五役者は資料を確認し、質問や意見を「意見書」に入力。
・各委員会は「意見書」を確認し、対応できるところは対応する。
⑤ [1/25]五役会開催
・理事会1週間前。
・協議。

■ 議案の修正・対応
⑥ [1/25-1/28]フィードバック・対応
・五役会終了後直ちに。
・五役会の質問や意見を副理事長から委員長へフィードバック。
・委員会で検討、対応。

■ 理事会
⑦ [1/28]理事会案内/会議資料提出
・開催4日前。
・専務理事は内容を確認し、誤字脱字、リンクエラー、コンプライアンスなど不備をチェックし、アジェンダを作成。
⑧ [1/29]アジェンダ展開
・開催3日前。
・理事者は資料を確認し、質問や意見を「意見書」に入力。
・各委員会は「意見書」を確認し、対応できるところは対応する。
⑨ [2/1]理事会開催
・協議/審議。

一人ひとりの「準備」の問題

何か一つ遅れが生じると、トコロテン式に遅れていき、結果的に会議中に資料に目を通すことになり、時間が取られます。
そして、その場で質問や意見を考えるため、的を射た意見が出にくく、会議の質も落ちてしまいます。

会議が「ムダ」に長くなり、質も落ちると、イヤになってきます。
こうなってしまうと、負の連鎖です。

一人ひとり役割を担っています。
一人ひとりが役割を果たすことで、初めてシステムが機能します。

それぞれがプライベートや家庭、仕事があり、その合間を縫って、時間を作って活動しています。
それに対して、思いを遣り、敬意を表す必要があり、まず行動で示す必要があります。

  • 決められた期日を守る。

  • 事前に資料を確認し、質問や意見をまとめておく。

つきつめれば、これだけです。

そもそも、五役会などの上役会の開催、エントリー、案内、アジェンダ、議案書フォーマットといったシステムは、議論や事業の質を上げるため、会議時間を短くするための工夫です。

こうしたシステムに問題があるのであれば、改善することができます。

会議が「ムダ」に多かったり、長くなっているのだとしたら、それはJCの問題ではなく、一人ひとりの「準備」の問題ということです。

■ 一人ひとりの準備
◯ 委員会を計画的に開催し、事業設計の精度を上げる。
◯ エントリー、会議資料提出、会議案内、アジェンダ展開の期日を守る。
◯ 期日までに出欠返信する。
◯ 事前に資料に目を通し、質問や意見を「意見書」にまとめる。

ここで「あれ?会議時間は短くなるかもしれないけど、その分自分の時間が削られるんじゃない?」と気づく人もいると思います。

はい。その通りで、「みんなの時間」を大切に、有意義なものにするためには、一人ひとりが自分の時間を使って入念に準備するしかありません。

だからこそ、会議は、「一座建立」であって、お互いを思いやり、敬意を払わなければなりません。
特にJCの場合は、お金という対価を受け取って行っているわけではなく、むしろ、自己投資として会費を納めて活動していますので、なおさらです。

なぜ、JCは会議が多く、長くなりがちなのか?

それは、「新しいことに挑戦するから」です。

基本的にJCでは、その時々の情勢や問題意識に応じて、課題を設定し、新しい事業を行います。

ですので、一からメンバーのコンセンサスを得、動機づけしなければなりません。

過去に似た事業があったり、他のJCの事業を参考にできることもありますので、全てが「0→1」というわけではありませんが、それに近いことを行いますので、事業設計にも時間がかかります。

ただ、これは必要な過程・時間ですので、決してムダなことではありません。
ただ、会議をスムーズに進めるための押さえておくべき勘所はあります。

決める会議のポイント

決める会議である理事会の場合、主に[やる意義/実行性/ブランドイメージ]といったところが問われます。

◯ やる意義
背景・目的が明瞭かつ具体的で、JCとしてやる意義があり、「そうだね、これはやらないとね!」というコンセンサスが得られ、メンバーを動機づけできるか。
◯ 実行性
手法が具体的で実効性(なぜそうしたのか理由が分かる)があり、実施にあたって必要となる関連資料が整っており、「これなら良い事業ができそうだね!」と実現がイメージできるか。
◯  ブランドイメージ
会として発出される内容や資料などの体裁が格好良く、コンプライアンスが守られ、「きちんとしてるなあ」とブランドイメージが高められるか。

事業計画立案にあたっては、このポイントを押さえておくと、会議で余計な質問や意見が少なくなり、事業の質を高めるための建設的な意見が出やすくなります。

是非、意識してみてください。

人間は、不確実な生き物

人間は不確実な生き物です。
体調不良や仕事でのトラブルなど様々な事情により、決められた通りにできないことはあります。それも仕方のないことです。

そういうときは、相談しましょう。
「どうしたの?」と声をかけましょう。

お互いを思いやる心は忘れたくないものです。

実際の組織で、様々な立場で、様々な人間関係の中で、こうした基本的な姿勢が学べるのは、プライベートや家庭、仕事においても貴重な経験になると思います。

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宮澤重嗣/MIYAZAWA Shigetsugu
會津藩祖保科正之公を始め、歴代會津藩主を祀る「土津神社」禰宜。
「幸福感受性の回復」という使命のもと、健やかな人間形成に資する會津武士道の矜持である「義」の心の発信に努めている。

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