「キャリア選ぶとき、業界の言語感覚合ってるか大事」説(2020.2.3)
先日の同窓会にて、友人の緑子(仮名)ちゃんがなかなか鋭い指摘をくれた。
「業界内のコトバが自分に合ってるかって大事」
先日の同窓会のもようはコチラ
▼仲良し四姉妹/推し(押し)のある生活 (2020.2.1)
https://note.com/iincho/n/nbe0dae010307
いつだって私の友人たちは、鋭い指摘と気づきをくれる存在だ。
なんでこんな話になったかというと、
以下のようなやりとりがあったから。
私:そういえば、最近見た動画で、それ弁護士さんが法律実務について喋ってるコンテンツだったんだけど、その弁護士の口から「著しく規範意識の低い人もいますからね」って言葉が出てきて。
他2名:(爆笑。)
私:要は「ルールを守らない困ったちゃん」って意味なんだよ(笑)
でもそれを「著しく規範意識の低い人」って言い表すのを聞いて、私は「コレコレー!」って思った。「私、法律業界のこの言語感覚、好きだったわー」って実感した。
久子:明日から使うわ。「著しく規範意識の低い人」!!!!
念のためにお伝えすると、
これはその弁護士さんが「法律を知らない人を見下している」とか「皮肉射言っている」とかそういうことでは全くないです(と、動画を見た私は感じました)。(▼文末補足参照)
弁護士たるもの、いつ何時、誰に揚げ足を取られるかわかりません。
常日頃から言動に細心の注意を払ってお仕事をされています。
そういう立場上、弁護士が「ルールを守らないヤツ!」なんて強い言葉を使うわけにはいきません。
しかし、「ルールを守らないヤツ!」は実際、いる。(そういうヤツがいるから法律がある、という面もある・・・)
そのことを何とかして伝えようとして、最も奥ゆかしく穏当な言葉に置き換えようとした結果が「著しく規範意識の低い人」という表現になったんだと、私は思料いたします。たぶん。妄想ですけど。
配慮に配慮を重ねたのに・・・結局それが一番皮肉っぽく聞こえちゃう!
この感じが私はたまらなく大好き。
「ルール・法律を守ろうという意識」を「規範意識」という法律業界用語にしてる辺りが最高。(規範→業界頻出ワード)
それで、冒頭の緑子ちゃん(仮名)の感想になった。
緑子ちゃんのいる業界は、どちらかといえば、
バリバリ・ピカピカ・イケイケなイメージだ。
おそらく、IT業界以外を除けば、もっともカタカナが飛び交ってる業界だと推察される。
「私は、今働いている業界内でのコトバが、あんまり好きじゃないかも」
「(バリュークリエイトとか)価値を創造するって言い換えてるもん。日本語で言いたい」
ということだった。
これ意外と大きいなと思って。
考えたら当たり前の話かもしれないんですが。
職場でのコミュニケーションは「言葉」に頼るところが多く、
言葉はその職場の雰囲気を作る。
私も、営業事務やってた時は、「KPI」「エビデンス」「アジェンダ」・・・めちゃくちゃカタカナが飛び交うので面食らった。
慣れて自分でも使うようになったけど。
今となっては、「なんだよアジェンダって。議題でいいだろ」と思わないこともない。
「言葉が合わない」って
「水が合わない」と同じくらい
「それが合ってる人には分かってもらえなくて、地味に辛い」
という悩みなのかもしれない。
これから就活する人は
業界研究の時に、言語感覚も一緒に検討してみてはどうだろう!
具体的にはその業界の人が書いた本や、言ってることの中に、
自分が許容できない言葉遣いがあるかどうか見てみるとか。どうだろう。
自分が聞いていて居心地悪い言葉を使う人のそばには、いかないほうがいい。その判断軸は、完全に「自分好み」でOKです。
私はいちおう大学時代は法学部に在籍していて、法律の勉強はからきし、惨憺たるものでしたが、教科書や六法に書いてあるコトバは、なぜか好きだったんですよね。「後戻りのできない黄金の架け橋」とか・・・(笑)
今でも、「判決要旨」とかたまに新聞などに載っていますけど、読むと、いいなと思う時がある。判決の内容や判断は別にして、純粋に文章として的確で気持ちいい時がある。
契約書や条文が一般の人にとって「まわりくどくて、わかりづらい」ということもあったりして、カイゼンの余地もあると思うのですが、それでも私は、総論として、「わかりにくさ」コミで基本的に言語感覚が合ってたんだなーと思った。
※これは個人的な感覚を言っているだけです。一般の人にわかりづらいのに意味あるのかとか、法律で使われている日本語なんて醜悪だとか、そういうご意見もあるのかもしれませんが、私はこう思っているということです。
さて、現政権には「著しく規範意識の低い人」が何人いるのでしょうか?(なんてな)
▼補足
(大多数の)弁護士は、法律を知らない普通の人を見下すことはありません。そう私は思っています。
法律は無数にあるし、そもそも日本の義務教育では法律への向き合い方も教えてもらえないし、知らなくて当たり前だと思っています。
(そもそも、何かを知らないことで人を見下すって、人として褒められたことではないですしね)
もし、法律や契約のことで、分からないことや困ったことがあったら、「えーい、やっちまえ」ではなく、まず専門家である弁護士さんに聞いてみてほしいと思います!
少なくとも、現代の若手弁護士さん(40代以下)は、想像よりずっとやさしくて親切でふつうの人、というのが私の実感です。
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