面接ウケメイクよりセクハラ対策講座のが必要なんじゃないか説

2019/12/15(日)の東京新聞の一面は「就活セクハラ」だった。

女子大学生が受けた男性面接官からの仕打ちの数々に
驚きを通り越して「????」が募る。

いや、あのー、
しゃべり方が気に入らないだの
今日生理?だの
帰れないような時間にOB訪問設定してホテルに誘うだの…
それが社会人の、大人の男のやることだろうか??
だって、もうそれ「憎悪」だよ。

女子学生を「ウチの会社の将来を担ってくれる優秀なタマゴ」
とは見ていないのは明らかだ。
「ストレスのはけ口」としか見ていない。それか「調教の対象」。
もしかしたら、そういう種類のAVがあるんだろうか?
「就活に来たおとなしい女子大生に
 ねちねち嫌みを言って快感を得る」みたいな…。
いや書いてて気持ち悪いわ。

女性が、より若い女性に嫉妬して意地悪するのは分かるが
なんで男性がただ面接を受けに来ただけの女性を憎むのか。
意味わからん。女性が怖いの???

しかも、なぜそのことが「明るみに出ない」と思っているのだろう。
会社の名前を出していて(人事面接担当はその会社の代表だ!)
確実にその会社のイメージも悪くする。
学生はその男の名前も知っているのだから、
親や大学に言ったり、ネットに書き込むかもしれない、とは思わないのだろうか。

「それは絶対にできない」とナメているのか、
「自分が悪いことをしているとは全く思ってない」か
どちらかなんだろう。
実際は、非常に悔しいが
学生側は次の就活に不利になるかもしれないと思って
そういうことがあっても、セクハラがあったと声を上げることを我慢するそうなのである。

多くの女性が、社会に拒絶される感覚を最初に味わうのは
もしかしたら就活の時かもしれない(私自身は就活セクハラは経験しなかった)。

「女性は男性を受け入れる性ゆえに価値があり消費の対象である」
ということくらいは、
中学生頃になると感じたり
中にはそれを利用したりする人もいるかもしれないが、
「女性だから実際ソンする」
ことを最初に体験するのは
会社に入る時かもしれない。

現代において、学生時代に「女性だからソンする」ということは
あまりない気がする。
小学校では女子の方がハキハキしていて強い。先生の信頼も厚い(笑)
そのまま中学から女子校などに行ってしまうと、
「生きていくのに男は絶対に必要な存在ではない」
などということまで学ぶ(私だ)。
大学になっても(医大の入試ではいろいろあったが)
基本的には成績で評価される。

それが初めて崩壊するのがシューカツだ。

ようこそ、ニッポン女性差別社会へ。

女性なんだから(メガネ禁止)
女性なんだから(ヒールは5cm以上)
女性なんだから(化粧くらいしろ。ただし薄化粧、濃いのはだめ)
女性なんだから(スカートを履け。ただし短すぎるのはだめ)
女性なんだから(そんな頑張らなくていいよ)
女性なんだから(胸が大きいって言われたら勲章だよね)
女性なんだから(どうせ妊娠したら仕事に穴をあけるんだろ)
でも
女性なんだから(同棲じゃなく、ちゃんと籍を入れてもらいなさい)
女性なんだから(少子化対策のために、子供は3人以上産んでほしい)

いやむりだろ!!!

めまいがする。。。

先の東京新聞の記事によれば
女性の地位向上に敏感な女子ほど、
セクハラで落ち込むそうだ。

しかしだ。
あえて批判を承知で言うが、
ハゲ役員や、ゲスOBの男性が100%悪いのを承知で言うが、
ちょっと女子学生たちは繊細すぎではないだろうか。

そんな奴らのせいで
「シューカツが怖い」ってなるの
悔しいじゃないか。

いっそ、小さい頃から、「女性差別的言動をされたらどう対応するか」
を教えたほうがいいのだろうか。

「それ、セクハラですよ」
「女性であるということを理由にした根拠なき差別はやめてください」
「あなたの奥さんやお母さんにも生理はあるんですよ」
「意識低いですね、まだ昭和ですか?」
「ここはそんなんでも役員になれる会社なんですか?」
「とりあえず御社の人事部にメールします」
「大学当局に訴えます」
「新聞に投書します」
「SNSに書きます」
「企業の口コミサイトにも書きます」
「ていうか、この面接録音してます」
「あなたの同意がなくてもこの録音は有効な証拠として裁判で採用されます」
「音声は動画サイトにもアップしときます」
「今後私が他社の面接であっても何か不利益を被った場合、
 あなたが手を回したと推定します」
「ありとあらゆる神社で、あなたと御社を呪います」
「うちの曾祖母が霊媒師で、私もその血を引いています」
「そうそう、冬は夜が早いですよね」
「ご家族はお大切に」
・・・

くらいの啖呵切りたいじゃないか。
(※行き過ぎた言動は脅迫罪にあたる可能性があるため、その辺は慎重に。)

「あ、この会社大したことないってわかったんで、辞退します」

でも、準備してなきゃこんな台詞でるわけない。
「面接受けがいいナチュラルヘアメイク」講座より
「セクハラされたらこう切り返せ!」対策講座の方が
必要なんじゃないか。

本来は全企業の採用部門に、国から「セクハラ禁止!」
って言ってもらうのがいいが、
国の中枢にいる人がセクハラを容認するようなこの政府に言うのも空しい。
だいたい官僚トップの事務次官までが、記者にセクハラする国だ(みっともない)。

うら若き女性たちよ。
強くあれ。

失礼な課長に神対応なんかしなくていいぞ。
飲み会の空気、悪くしていいぞ。だってそんなこと言う課長のせいだから。

彼氏いるの?(いねえよ)
料理するの?(しねえよ)
胸大きいね、何カップ?(なんでここで開示する必要がある?)
どうして実家で暮らさないの?(母親とそりが合わないんだよ!)
結婚しないの?(ふさわしい相手がまだ現れねえんだよ!!!)

答えたくなきゃ答えなくていいんだぞ。

でも、私も、二十代の頃、強くなれなかった。
上記の質問に
「すべて正直に話し、
 女性らしさではなく、
 バカっぽさ・子供っぽさに寄せる」
という戦法をとったが、効果なかったです。

もうさ、「ジェンダー憲章手帖」みたいなの作ろうよ。
手帖古い? アプリでもいい。
すべての女性が10歳になったらそれ配ろう。
常に手帖(アプリ)を携帯して
嫌な質問されたら
「交際相手の有無については、ジェンダー憲章21条により黙秘します」
「その質問はジェンダー憲章13条違反であるため、しかるべき場所に通告します」
とか言える(代わりにアプリが答えてくれる)ようになってほしい。

いや、そもそもそんな言動をしないよう
男子を小さい頃から教育するのが
一番いいのだが……。

※もちろん、「えーウケるー、Dカップで~す♡」と言って、
オッサンたちの人気者になる、という手もあります。
自分の尊厳が失われないのであればそういう生き方もありだ。
そうなれない人も、このアケスケ女子を許容すること。
敵は同性ではない。

とにかく、若い女性は
あなたのミソジニーをぶつける対象でもなく
ストレスや性欲のはけ口ではなく
優秀な人材になるかもしれないタマゴで、
同じただの人間です!と分かってほしい。。。

すべての男性は女性から産まれたのに
なんでミソジニーってあるんですかね。謎だ。。。

面接でなんか妄想したい人は
しかるべき店でそれ相応の金を払って合意のもとやってください。


本日は以上であります。

追記:この「就活セクハラ」の話題で私が一番引っかかったポイントは、被害に遭った女子学生たちはイニシャルであっても名前や顔を出して告発しているのに、男性面接官の名前や会社名が出ていないことだ。

前出の東京新聞の記事は、読めば「ああ、あの企業だ」とわかるようなことも(わかるように?)書いてあったけど、なぜ社名が出ていないのか? 新たな被害者を出さないためにも、そういう面接官がいたら会社に通報、「再教育」するなり、少なくとも面接から外すべきだ。そういう面接する会社があったら厚労省に通報、ブラック企業リストに載せてほしい。

社内のセクハラは内部の士気を下げる。しかし、まだ社員(ある意味身内)にすらなってない外部(の学生)にセクハラするのは、長い目で見たらその会社の評価を下げる。普通に考えて、積極的に会社の評価を下げることに加担するなんて最低の社員である。なんでこんな、当たり前の自浄作用が働かないの?? 

もう1点、女性も日ごろから「言い返す」訓練をしなくては。我々は「口答えはいけない」と学校で習うし、人間関係を悪くするのを極度に恐れて「神対応」に憧れるが、「悪いことをただ悪いと指摘する」ことは口答えでも詭弁でもなんでもない。自らを守るためには抵抗してもいいんだと思おう。

就活セクハラは、ただオッサンが女子学生をいじめてるのではない、なかなか根の深そうな問題だ。

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委員長/日本語教師
これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m