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T2で撮ってみた・XP2 EI=800

以前からやろうと思っていてつい忘れていた、T2にイルフォードXP2を詰めて「EI=800で撮影」。

分かる人には分かる話なので、以下、読み飛ばしてください。
XP2の箱には「ISO400」と記されていて、カメラの感度設定は400でOK、という意味なのですが、T2にXP2を装填すると、パトローネのDXコードを読んで自動的に感度400に設定します。この状態で撮影すると「感度400のフィルムに露光指数400の露光」ということになります。EI=露光指数です。
ISO感度と露光指数、何が違うのか、というと、

  • ISO感度→フィルム(あるいは撮像素子)の感度

  • 露光指数→フィルムや撮像素子が何であろうと、カメラ側が感度ISOいくつ相当の光を当てるか

とういことです。つまり、ISO400のフィルムにEI=400の光を(カメラを通じて)当てる、というのが、通常の撮影です。

昔からのモノクロフィルムは、光を当てた酸化銀を現像処理すると黒くなる、その「黒くなった酸化銀」をフィルムに残し、「黒くならなかった酸化銀」を「定着」というプロセスで洗い流してしまう。最終的にはフィルムには「酸化銀の黒くなったやつ」で画像が形成されています。

XP2はモノクロフィルムですが、現像後のフィルムには「色素」で画像が形成されています。黒くなった酸化銀は、黒色素に置き換えられているので、フィルムには残っていません。(カラーフィルムの技術の応用なのですが、さらに詳しい解説は省略します。興味のある人は検索してみてください)。

話を戻します。
XP2は、ISO400のDXコードが記されているため、T2に装填するとT2は「感度400のフィルム」として認識し、AEで「感度400のフィルムが適正露光になるよう、絞りとシャッター速度を自動的に決定」します。
しかしXP2のデータシートを読むと、

https://ilford.co.jp/photo/wp-content/uploads/2023/02/TDS_XP2Super.pdf

EI 50-800の範囲で使用できます

XP2 Super technical data sheet

つまり「EI=800の光を当てても、普通に現像してOK」と書いてあります。
言い換えれば「感度800のフィルムと思って使ってOK」ということです。
しかしT2は「フィルム感度はDXコードで自動設定」。
どうしたらいいのかというと、フィルムに「感度400における-1(1段アンダー)」の光を当てればよいので、T2の「露出補正」ダイヤルを「-1」に設定して、あとは、しれーっといつも通りにシャッターを切ればOK。

で、やってみました。

いきなり曲がってるし。でもこれ電車の車内から撮った地下駅。EI=800、シャドウの絞まりが良い感じもします。

京とれいん雅洛

また斜め。しかし、室内、しかも割と暗い感じで、ストロボなしでこういう感じです。

京とれいん雅洛

大阪梅田駅。これも室内。

大阪梅田駅

これなど-2(EI=1600)でも行けたかもしれない。阪急電車は割と濃度が高い(濃い紫、モノクロだと黒に近いグレー)。昔、蒸気機関車を画面いっぱいに撮るときには露出補正でマイナスに振ることがあったみたいです。

大阪梅田駅

フレーミングが右下がりになる癖はなんとかしないと。

大阪梅田

地下街。普通に撮れます。ストロボ使ってません。

阪急三番街

阪急三番街。川の流れる街。シャドウがもう少し絞まっても良い。EI=1600で行けた感じ。

阪急三番街

まあでも、このくらいはPhotoShopでいかようにも。

同上、トーカーブで補正

川の流れる街。地下2階なのですが、人工水路があります。川を作ることによって、せっかく造った地下街に入れるテナントが減ってしまうではないかというごもっともな意見もあったそうですが、造った。それが1969年のこと。
複雑な意味において「阪急らしいな」と思います。

川の流れる街

阪急三番街

阪急三番街
阪急三番街
古書のまち

では、EI=800のまま、真夏晴天の地上に出てみましょう「無謀やろそれ」いやそうでもない。

梅田

EI=400よりシャドウが絞まっている感じがします。1段くらいはトーンカーブいじれば、どうにでもなるといえば、なりますけれど。

梅田
梅田

やっぱりこれ撮っちゃうんですよ、梅田に来ると。乗ったことないですけど。

梅田
梅田
梅田

しかし本当にこういうの苦手やな、T2。

アイスコーヒー

再び外に出ます。梅田。この日、梅田の気温35℃。

梅田

梅田

梅田
梅田
梅田

EI=800で木陰のディティール写るかなと思ったのですが、明るい背景に引っ張られたみたいです。ここはEI=400、あるいはEI=200でも良かったかもしれない。デジタルカメラのRAWならこの程度のアンダーであればそれなりにディティールを引き出せそうですが、ネガの色素画像フィルムは逆で、アンダーはフィルムが素抜けに近くなるのでシャドウは出ない。逆にオーバーには比較的強く、相当オーバーに振っても案外ディティールが写っていたりします。とはいえこの条件ではオーバーに振ると右端のビルは白飛びするかも。そもそも「こんなところでシャッターを切るわしが悪い」。日中シンクロでストロボ入れるという手は、今思えば、ありだったかも。

梅田

阪急グランドビル31階。昭和の頃は全てがミニチュアのように見えたのですが、今は駅ビルとかヨドバシとかビルが増えて雰囲気変わりました。

阪急グランドビル31階より

真夏の空を撮っているからというのもありますが、EI=800でちょうど良いような気もします。

阪急グランドビル31階より

梅田。室内。すみません、もう外は暑くて。

梅田

いやでもやっぱり外の方が面白そう(街並みとか)。

梅田

人多いな。梅田なので当たり前ですけど。

梅田

奥に見えるのは阪神百貨店。右端は阪急百貨店。諸般の事情で同じ会社になりましたが、2つの百貨店の違いは今でもあって、棲み分けが出来ている感じです。

梅田

梅田。

梅田

商店街に入ってみます。

商店街

ちょっとアンダー。

商店街

屋外がやっぱりベストでしょうか、露光的には。

曾根崎

こんなところに違法駐輪を……と思ったら、違うんです。よく見るとスタンドがあって、最小限のスペースでたくさんの自転車を止められるようになっている。無秩序な違法駐輪よりも多くの自転車が止められるのかもしれない。
有料です。「違法駐輪に困りそうな場所」で「合法化して駐輪料金を取る」って、考えた人凄いな。

駐輪スペース

今回は、こんな感じです。

Amazonに36枚撮りの在庫がないみたいでしたので、ヨドバシへのリンクを貼っておきます。

https://www.yodobashi.com/product/000000115202000101/

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飯島 正樹
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