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興味がある人向け〜監査の基本と不正〜

こんにちはこんばんはプリプリウーマンです♪
簿記や会計の勉強を通して、監査に興味がある人向けに基本的な内容をまとめてみました。

※分かりやすく伝える事を目的としているので、正確な表現でないところもありますがご了承ください。


1-1. そもそも監査とは?

監査とは、企業が作成した財務諸表が適正であるかを、独立した第三者(監査人)がチェックするプロセスです。特に上場企業は、投資家や市場の信頼を得るために監査を受けることが義務付けられています。

とはいえ、監査があるからといって、不正がゼロになるわけではありません。

そもそも、監査人が企業のすべての取引を1件1件チェックするのは、現実的に不可能です。例えば、大企業では年間何十万件もの取引があります。そのすべてを細かく確認するのではなく、「ここはリスクが高そう」と判断した部分を中心に調べるのが監査のやり方です。

そのため、もし会社ぐるみで巧妙に隠された不正があれば、監査のチェックの網をすり抜けてしまうこともあります。 だからこそ、企業側も「監査があるから安心」ではなく、普段から不正を防ぐ仕組みを作ることが大切です。


1-2. そもそも「不正」って何?

監査の世界でいう「不正」は、意図的に財務諸表の数字を操作したり、会社のお金や資産を私的に流用したりすることを指します。一般的に、不正は以下の2つに分類されます。

1. 財務諸表の虚偽表示(粉飾決算など)

→ 会社の業績を実際よりも良く見せたり、逆に悪く見せたりすること。たとえば、本当は赤字なのに「実は黒字です!」と数字を操作して投資家を騙す、といったことが起こります。

2. 資産の流用(横領・着服など)

→ 会社のお金や資産を勝手に使うこと。たとえば、経費を水増しして私的に使ったり、会社の口座から自分の口座にお金を移したりするケースです。

どちらも、企業の経理担当者が関与するケースも少なくありません。知らず知らずのうちに巻き込まれることもあります。
こうした不正の仕組みは「証券取引等監視委員会」が公表している「開示検査事例集」などで知ることができるので、興味のある方は検索してみてください。


2. 企業の不正はなぜ起こるのか?

不正のトライアングル

不正は大きく「①動機(プレッシャー)」「②機会」「③正当化」の3つの要素が揃うことで発生すると考えられています。
動機(プレッシャー):業績目標の達成、借入金の返済、個人的な利益
機会:内部統制の甘さ、監査の目が届かない領域
正当化:景気が回復すれば取り戻せる、みんなやっている

この3つが揃うと、不正が起こりやすくなります。では、具体的にどのような不正が行われているのでしょうか?


3. 典型的な不正の手口と業種ごとの特徴

不正には色々なパターンがありますが、よくある手口をいくつか紹介します。

① 売上の水増し(架空売上)

典型的な業種:メーカー、商社、IT企業
• 取引先に架空の売上を計上

例:
「このままじゃ決算が赤字になってしまう…! そうだ、取引先と話をつけて“売れたことにして”もらおう!」
➡ 実際には商品を納品していないのに、売上を計上する。

ポイント:
• 売上が増えたように見えるため、決算書の数字が良くなる。
• (架空なので)いつまで経っても入金されない売上代金などから発覚することも。

② 経費の水増し(お金の流れを隠す)

典型的な業種:広告業、建設業
• 取引先に架空の経費を計上

例:
「接待交際費を多めに計上して、会社の利益を調整しよう!」
➡ 実際より多くの接待交際費を計上して、利益を少なく見せる。

ポイント:
• 会社の税金対策として行われることもある。
• 請求書などの証票類を偽造するため、監査人への資料の提供が遅延することも。

③ 在庫の虚偽計上

典型的な業種:製造業、流通業
• 破損品や売れ残りを適切に処理せず資産計上

例:
「倉庫にある古い在庫、もう売れないけど… これを資産として計上しちゃえば利益減らないよね?」
➡ 本来は処分するべき在庫を無理やり残し、会社の資産を実際より多く見せる。

ポイント:
• 適切に処分されていない分、在庫の金額・数が膨れ上がって発覚することも。


4. 監査の限界と企業側の意識

監査を行っても、不正を100%見抜けるわけではありません。これは、監査が「すべての取引を1件ずつチェックするものではない」からです。監査人は、会社の取引すべてを確認するのではなく、リスクが高そうな部分を重点的にチェックする方法を取ります。

そのため、たとえ監査が入っても、不正が巧妙に隠されている場合は発見が難しくなることがあります。

実際、ちょっとした仕訳ミスを隠すために、少額の架空取引を計上したつもりが、それを隠すための偽装工作が積み重なり…気づけば莫大な金額になっていた、というケースも少なくありません。こうした不正は、意外と身近なところでも起こり得ます

だからこそ、企業側も「監査があるから大丈夫」ではなく、日常的に不正リスクを意識することが大切です。例えば、経理担当者や部門長が以下のようなチェックを習慣化することが望ましいです。

売上の水増しを防ぐために
• 実際の入金と照らし合わせる
• 取引先にヒアリングする

経費の不正を防ぐために
• 過去の取引先との金額を比較分析する
• 明細や領収書を厳しくチェックする

こうした仕組みを整えることで、不正のリスクを大幅に減らすことができます。


5. まとめ

• 監査は企業の財務諸表が適正かどうかをチェックする重要な役割を担う
• 企業の不正は「動機・機会・正当化」の3要素が揃うことで発生しやすい
• 監査には限界があり、企業自身が内部統制を強化することが重要

企業の不正は市場全体に悪影響を及ぼします。監査人だけでなく、投資家や企業の関係者も、不正のリスクに対して関心を持つことが求められます。

いかがでしたか?もし参考になったらいいねしてもらえると嬉しいです!最後まで読んで頂きありがとうございました♪

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