インソールの知識はインソールを作らなくても良い状態にしてこそ本物
ちょっとカッコつけたタイトルをつけましたが。
自分の課題を再認識した1症例を経験しましたので記事にします。
最近担当させていただいた膝OA症例。
はじめは歩行時痛、階段昇降時痛の主訴がありましたが、
はじめの1ヶ月でその2つは消失。
ですがどうしても「たちあがり」だけ痛みが消せずにいました。
可動域は伸展強制しても大丈夫、屈曲強制、深屈曲でも痛みはありませんでした。
深屈曲、ベッド上でのOKC状態では痛みがないのに、床面からの立ち上がりでは鵞足部に痛みがでてしまう。
立ち上がり、ということを考えるとあとはCKC状態になっていることを考慮し、「足部」を見ることにしました。
立ち上がり時にふんばろうとすると、たしかに患側だけ足部が内側に倒れ込む用に見えました。
そこで第1列(足部内側)に1mmのパッドをしくとなんと痛み軽減。2mmで調整してみるとほぼ痛み消失。
ですが問題は「自宅内での床面からの立ち上がり」なのでインソールは実際には役に立ちません。
ただその1列に注目してさらに母趾、長母指屈筋を評価すると、軽度外反母趾もあり、足関節〜母趾まで含めた底屈の可動域低下があり、母趾の屈曲力がありませんでした。
長母指屈筋を意識した母趾屈曲運動をしてもらって、裸足での立ち上がりもやはり痛みなく実施可能。
ですがこの時もう靴を履いた状態が少し残っていることも推測できるので、100%とは言えませんが、可能性は高いものと考えました。
底屈の制限になっているは「前脛骨筋、及びその腱の足関節屈筋支帯から距骨を通り、第1中足骨の付着部までの滑走不全、短縮」
上記セルフストレッチと長母指屈筋を意識した筋トレを指導としました。
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*過去に書いたインソールの記事です良ければ御覧ください*
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足部の評価を持つということ
そんな足部評価するなんてあたりまえやん。
と言われることも当然だと思います。
今回私はインソールの知識から足部の徒手療法、運動療法につなげることができました。
偉そうな、カッコつけたタイトルをつけましたが、実はこれ、ただの自分の一番の課題を言っているだけなのです。
「良い歩行」「良い足部運動学」について少しずつ理解が深まった感じはあるのですが、まだまだです。
「インソールを処方して良くなった」が、「何がよくなったのか?」
痛みない歩行、正しい荷重方向に乗せられたからOK、でなく、「何が悪くて」「何がおきていたのか」を言語化する能力がまだまだ私には足りません。
結果が出ればOKというのは再現性という意味では乏しく、再現性への厳しさというのは自分でも足りていないところなのでしっかりと行う必要を感じています。
今回第1中足骨、1列の評価から解剖、運動療法への接続は今後機会があればNoteや何かしら形にしたいと思います。何か反応いただけますとやりやすいです。
今回は以上です。ありがとうございました!