在宅勤務におけるコミュニケーション改善方法―仕組み編
《はじめに》
前回の投稿でワークプレイスごとの特徴をお話ししました。
※詳細は前回投稿をご確認ください。
https://note.com/iifumi_workstyle/n/n1f9c74222572
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ワークプレイスの内、「在宅」は個人の集中作業がしやすい反面、コミュニケーションがとりづらい環境です。今回は在宅勤務時のコミュニケーション改善について、ワーカー自身が実施できる改善方法について紹介していきます。
《2つの改善軸》
一口に改善といっても取り組むべき事項は多岐にわたります。
一つは「仕組み」、もう一つは「仕方」という軸で整理してみましょう。
簡単に軸の説明をすると、
仕組みはIT環境やファシリティ等ハード面の整備、仕方はハードを活用した日常行動の変革を指します。
《仕組みの改善ー通信環境を見直す》
コミュニケーションという切り口で取り組むべき仕組みの改善は「通信環境」一択です。これから説明するポイントを押さえることで自宅の通信環境が改善する可能性があるので、ぜひこのタイミングで確認してみましょう。
但し、ビジネスにおける通信環境は企業のITインフラ整備状況に大きく左右され、ワーカーが実施できる改善活動だけでは満足のいく環境にならない可能性もありますのでご留意ください。
※仕方の改善については次回紹介します。
《通信環境見直しの5つのステップ》
見直しは以下のステップで行いましょう。
①インターネット回線の確認
②モデムもしくはONUの確認
③ルーターの確認
④接続方法の確認
⑤端末性能の確認
①インターネット回線の確認
インターネット回線には種類があります。
【ADSL(エー・ディー・エス・エル)】
NTTグループにおいては2023年1月31日にサービス終了が決まっており、古典的な回線方式です。
わかりやすく言うと「従来の電話回線を利用してインターネット通信を行う方法」と言えます。電気信号を用いるため、電話基地局からの物理的距離が通信速度に影響を及ぼします。
電話回線から送られるアナログ信号を「モデム」と呼ばれる終端装置でデジタル信号へ変換し、通信を行います。
【光回線】
光ファイバーを通じて光信号にて行われる高速通信を可能とする現代の主流となる回線方式です。物理的距離の影響を受けることなく、基本的にはどこでも同程度の通信品質を確保できます。
光信号を「ONU」と呼ばれる終端装置で電気信号へ変換し、通信を行います。
通信環境は「速度」「安定性」で品質を評価できますが、光回線はいずれの項目もADSLに勝っています。
速度:ADSL 最大 50Mbps
光回線 最大1000Mbps(1Gbps)
安定性:ADSL ノイズが起きやすく安定しにくい
光回線 ノイズの影響を受けにくく安定しやすい
コストはADSLの方が安価ですが、サービス終了も差し迫っているため、利用されている方はこの機会に光回線へ移行しましょう。
光回線であっても方式がいくつかあり、集合住宅では「VDSL方式」と呼ばれる方式が採用されることが多いです。ざっくりいうと、マンションまでは光信号で来るが各戸へは電話回線を使う方法です。「光配線方式」や「LAN配線方式」と比較すると通信速度が得られない特徴があります。光配線方式かLAN配線方式へ契約変更を行い、工事できるのがベストですが、費用が高額となるので、次以降のステップを試してから考えましょう。
②モデムもしくはONUの確認
モデムやONUは「信号変換器」の役割を担っています。ざっくりとした理解ですが、ADSLの場合はアナログ電話信号をデジタル信号と変換し、光回線の場合は光信号を電気信号と変換しています。
モデムやONUは通常インターネット回線の契約に応じた性能のものをNTT等の事業者からレンタルで利用しているケースがほとんどです。耐用年数は7~10年程度で設計されており、頻繁に交換する代物ではありません。
利用開始から7年以上経っている方で、時々回線がつながらなくなる方は要チェックです。
わかりやすいサイトがあるので、リンクを確認してみてください。
https://net-hikaku.net/modem-koukan/
※光回線のLAN配線方式では居室内にこれらの装置はありません。
③ルーターの確認
ワーカーが一番取り組みやすいのがルーターです。ルーターは複数の端末でインターネット通信を行う際の「交通整理」を担っていて、どの端末にどのルートでデータを転送すべきかを判断しています。
現在主流となっている規格は「IEEE 802.11 ac」で最大通信速度は6900Mbpsです。
おすすめは最新規格「IEEE 802.11 ax」で最大通信速度が9600Mbpsでより高速な通信が可能となります。ECサイトで購入する際は「ルーター ax」で検索するといいですよ。
また周波数を5GHzと2.4GHzから選べるルーターが多く供給されています。5GHzの方が通信速度が速く、2.4GHzを使用するBluetooh機器や電子レンジ等の影響を受けにくいのでお勧めですが、壁・扉などの障害物に弱いため、なるべく勤務実施する室内に設置しましょう。
2.4GHzを利用する際はなるべくBluetooth機器の利用は避けるとWeb会議などは比較的安定してきます。
③接続方法の確認
今の時代、無線LAN接続が当たり前ですが、通信品質的には有線LAN接続がオススメです。
無線LAN接続では前述の通り、Bluetooth機器などの影響を受けますが、ルーターとPCを直接LANケーブルで繋げば通信環境はだいぶ安定してきます。
重要になってくるLANケーブルにも規格があるのです。1番ハイスペックなのは「CAT8」という規格です。最大通信速度は40000Mbpsにも達します。CAT6でも1000Mbpsを超えているので十分なスペックと言えます。
1つ留意点としては、物理的な劣化によりパフォーマンスが低下していくので、過度の抜き差しなどには気をつけて運用した方がいいですよ。
※無線LANと異なり、固定のネットワーク設定が必要です。会社によっては管理者権限が必要となるケースもあるので、対応可能か確認してください。
⑤端末の確認
最後は端末になります。具体的にはパソコンやタブレット、スマートフォンの状態になります。
OSバージョンが古かったり、ブラウザのキャッシュが溜まっていたりすると通信速度が上がりにくいです。ソフト的な部分なら対応もしやすいですが、ハード的なCPUやメモリのスペックも処理速度に影響を及ぼします。
可能な限り新しいOSを使い、古い端末は買い換えることをオススメします。
《ステップの踏み方》
①〜⑤はデータが入ってくるルート順になってます。実際に見直しを行う際は、
③→④→①→②→⑤の順でステップを踏むと無駄なコストなく改善を行うことが可能です。
《最後に》
今回は在宅勤務時のコミュニケーションを取りやすくするための通信環境の見直しについて紹介しました。通信環境は在宅勤務の生命線です。環境不良でWeb会議の品質が低下したり、社内ネットワークに接続出来なかったりと生産性を大きく左右するテーマなので、通信環境に課題を感じてる方は是非見直しをしてみてください!
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