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2014.6.2
⌘Dでレイヤーを複製し、アンカーポイントをオブジェクトの底辺に設置。
スケールでY軸のみ-100%でオブジェクトを上下に反転させる。
反転させたオブジェクトにマスクをかけ、マスクのラインをオブジェクトが半分隠れるところまで持っていき、マクスのボカシをY方向のみ100〜150かけると、空間にあるオブジェクトが鏡面反射のように見える。鏡面反射とはわかりやすくいうと水面に映った富士山。映像編集ではしばしば使われるテクニックで、オブジェクトのみならずタイトルの文字に応用されたりしている。
この作業を数日にかけて永遠としている。オブジェクトは幾百を超えたか。
数年前、ある人物の2分間のコメント撮影をし、役員試写の後「首の皺を消してほしい」とオーダーを受けたとき以来、ここまできつい仕事はなかったように思う。
今でこそ多岐にわたるが、基本映像は1秒間におよそ30枚の「画」をつなぐことで「動画」として見られているわけで、それが2分間となるとなると120秒。つまり3600枚の画をレタッチしていくことになる。
作業的になんて言ったらいいのだろう?
胸や胃ではなく、左脳の隅がゲボっとする感じだろうか?
今やっている鏡面反射の作業はプラネタリウムに関わる仕事だった。
レイヤーを複製→スケール→マスク→ボカシ
この作業を幾つも幾つもこなしていく。
単純な繰り返し作業ほどミスが起こりやすいことを私は知っている。
特に一人で作業しているときには注意が必要で、どれだけ作業が乗っていても集中力が切れる時間には必ず休憩を入れていく。
タイマーをセットし、50分作業をして10分休憩するというルーティンで作業を進めていった。他には誰もいないので、休憩の10分間はタバコを吸ったりお菓子をつまんだりストレッチをした。
そして、休憩中に考える。今している私の作業は、プラネタリウムでどんな風に上映されるのだろう?と。
今回の私の作業はプラネタリウムに移される映像の編集ではなく、その中の一部の素材を作る仕事だった。故に台本も渡されてなければ全体構成も分からない中、ただひたすら鏡面反射の効果をつける作業をしているのだった。
作業中も何度か目覚め、「寝てまで仕事なんて嫌だ。もっと美女とシャンパンを飲みながらイチャイチャしたり。そんな感じの楽しい夢を見よう!」と祈るような気持ちで眠りにつくも、見るのはこの作業の夢。
途中、バターとメープルシロップをたっぷりかけたホットケーキを頬張る夢が挟まれたが、遮断されるようにすぐに作業の夢に戻った。
夢でなく、寝ている間に本当に作業が進んでいればいいのに。
そんな週明け。