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生き残るために

池上彰氏の『経済のことよくわからないまま社会人になった人へ』などを出版していた海竜社が破産へ

海竜社ぐらいの知名度で、かつて売れ筋も出していた出版社でも食えなくなってきているというのは、ベストセラーを結構出していた三五館が倒産した時も思ったが、本当に厳しい状況になっている。最近だとイカロス出版も身売りしたが、インプレスグループが買収した際に公表されたイカロス出版の決算書の内容は想像以上にひどくて大赤字になっていたのも記憶に新しい。

今、自分も出版社を経営する立場になって思うのは、頑張っていろいろ考えて売上が上がったと思うと、取次が倒産したり、大型書店が閉店して返品が増えたり、コロナで休業や時短営業がはじまったりと、次々とその売上を消し去る事態が起こるので、「またかよ〜」と、その時は心が一瞬折れそうになるが、折れたくても、取引先も苦しい状況なので、支払いは絶対にしないといけないし、銀行から借りた金も返さないといけないし、子供はまだ小さいし、家のローンも終わってないしで、どこにも逃げる場所など無いという現実を思い出し、悩んでる暇があったら仕事しよう!と思う、その繰り返しの日々である。

ここからの戦いは、今までの努力だけでは足らないだろう。かなり頭も使わないといけないし、それだけでも足らない。時代の変化が早過ぎるので、先を読んで対策をどんどんする必要がある。

ただ、時代のせいばかりではないはずとも思う。ちゃんとうまく経営を回してヒット作を出しているような小さな出版社も実際に存在する。三五館にいた編集者が、倒産した後、1人で新会社「三五館シンシャ」を立ち上げたが、すぐにヒットを連発して、すぐに経営も軌道に乗せたようだ。やり手の編集者だったのだ。

ただ、同時に思うのは、そんな優秀な編集者がいても(三五館は社長も伝説的なベストセラーを出す名編集者だったし)、やり方をちょっと間違えば出版社は倒産するという厳しい現実でもある。「厳しい〜!ʕ⁎̯͡⁎ʔ༄」

これから年末に向けて、やっと固まりつつある多数の新刊の企画の追い込みに入るが、ここからがまさに決死の戦いになりそうだ。
後ろには断崖絶壁、前には何倍もの敵…。

数では到底勝ち目のない数倍の敵に立ち向かった、厳島の戦いの時の毛利元就、桶狭間の戦いの時の織田信長は、その時勝利を確信していたのだろうか。してなかったと思うけど、あらゆる手を尽くして準備してた上で立ち向かい、それで勝ったことは間違いなく、運が良かっただけではないのは確かだろう。

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