【飯田線各駅訪問】91 羽場駅
地域の方々に愛されている駅
ここは長野県上伊那郡辰野町にある羽場駅だ。94もある飯田線の駅の中で、最も標高が高い駅となっている(723m)。駅周辺は住宅と田畑が入り混じるようなのどかな環境。駅前には花壇があり、地区の方々が栽培している美しい花でいっぱいだった。
今回この駅へは、「上伊那北部駅訪問旅」の最後の訪問駅として、隣の沢駅から列車に乗ってやってきた。日暮れの中、去り行く列車の後ろ姿を見送ると、この駅訪問旅も終わりか…そんな寂しい気持ちになった。とはいえこの駅を観察していこう。予定では親が既にこの駅に迎えにきているはずだったが、親の車が渋滞で遅れていたので、図らずとも当駅での滞在時間が延びた。
構内は2面2線で、2番線のホーム上には簡易的な待合所がある。この日訪問してきた宮田駅や北殿駅と同じタイプだ。一方1番線側には、コンクリート造の駅舎がある。入り口脇にある建築資材表を見つけた…平成10年! これは比較的新しい方と言えるのではないか。
ただ、駅舎隣にあるトイレも同時期に建てられたと思われるものの、こちらは看板がぼろぼろだった。まぁ内部は普通に使えそうだが。駅舎の反対の隣には「羽場を花いっぱいに‼︎」という看板とともに花壇がある。
さて、松本市から飯田市まで車で帰る親に、この駅で拾ってもらおうという予定だったのだが、親の車が岡谷JCTの工事による渋滞の関係でまだまだ到着しない。駅舎の中で待っていようか…と思って駅舎の中を見て驚いた。なんと駅舎内の椅子に、座布団が敷かれているではないか! これはありがたい。駅前の花壇と言い、この駅は地元民に深く愛されているのではないか。これは心が温まる。
駅周辺は田畑が広がり、人家もそこそこ。都会の駅でも秘境の駅でももちろん良いのだが、私はこれくらいの駅がちょうど良いな…ホームを歩き回りながら、そんなことも考えていた。
やがて親が迎えに来た。車に乗り込む。「遅れてごめんね。駅訪問どうだった〜?」と聞かれ、即答していた。
「そうだね、今の駅が1番良かったかな。」