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【飯田線各駅訪問】79 大田切駅

長野県駒ヶ根市・大田切駅。弓なりに反ったホームの駅だ。
駅のすぐ横には「太田切川橋梁」が続く。
古くから伊那谷の文化を南北に隔ててきたという、太田切川。

大きく反ったホームをもつ、太田切川近くの駅

 ここは、長野県の駒ヶ根市にある「大田切」という駅。駅の横を「太田切川」が流れているのが特徴であり、ホームのすぐ向こうに鉄橋が構えている。ここで気をつけなければいけないのは、駅名と川名で漢字が違うことである。読みはどちらも「おおたぎり」なのだが、川は「太」いのに対して、駅は「大」きいようである(謎)。どちらかと言えば中央自動車道を走っていると跨ぐ「太田切川」の方が有名なのかもしれないが、当駅名は「大田切」となっているのだ。
 さて、その「太田切川」は、当駅の所在する駒ヶ根市と、対岸の上伊那郡宮田村を隔てている。天竜川の支流となっており、南北に続く伊那谷を東西に突っ切るように流れている川だ。
 そんな感じで街の間を流れるているにも関わらず、この川は昔から氾濫などが相次いだり、すぐ増流したりの繰り返しであった。そのため古くからこの川が、伊那谷における人々の交通や文化を隔ててきた。以北は東京及び関東の、以南は名古屋及び関西の文化圏となったわけである。今でこそ楽に移動できるが、それは当時の人々の苦労があってこそなのだ。

 今回私は飯田市から長野市まで電車で行く際、車内から当駅の“観察”を行った。駅は1面1線で、ホームが弓なりに反っているのが特徴。列車が到着する際には、列車とホームの間の隙間に注意を促すアナウンスが流れる。
 さて、そんなこの駅の写真を、列車の前側の窓から撮ろうとした…のだが、うまく写らない。ホームが反り過ぎて、全く本当に、うまく写らないのだ。見出し画像もこのような酷い写真で申し訳ないが、いろいろ言っていてもどうしようもないので、自分の中で「まぁこれでもマシなんじゃない?」と踏ん切りをつけていたりもする…
 いや、そもそも当駅に降りてすらもいないのに、いろいろ語る資格なんてない。
 私の住んでいる飯田市から駒ヶ根駅までは、ほぼ全駅降り立ったことがある。なら次は…駒ヶ根駅の隣駅、ここだ!

 見ているだけで、乗っているだけで、ワクワクしてくる飯田線。側から見たら、何の変哲もないひとつの交通機関だとしか思われないかもしれない。しかし私は、そこに“大きすぎる”期待を見出した。
 そんな自分を客観視する余裕なんて今はない。いや、むしろ自分をかえりみたくない。純粋に鉄道を楽しみたいという一心だけで駅訪問を続けているのだから、理由を求めることさえ不必要である。その一方で、この魅力が他の人にも伝わればいいな、なんて少なからずは、密かに思っていたりもする…

※再訪が達成できましたら追記する予定です。


長野県駒ヶ根市・大田切駅。ホームは大きく反っている。
313系電車と待合室。ホームの幅は狭い。
ホームの端のすぐ向こうから、橋梁が直結している。

再訪日記

 さて、以前は駅を通り過ぎる際に適当に観察しただけだったが、今回は「上伊那北部駅訪問旅」の5駅目として伊那市駅から列車で訪れた。しかし、1時間後に2つ隣の赤木駅を発車する列車に間に合わなければならない。そのため急いで出発しなければならなかった。とはいえ私は高校で登山をやっているので歩きにはそこそこ慣れていなくもないし、いざとなったらダッシュすれば良いので、当駅には7、8分ほど滞在することにした。
 待合室は締切ができないが、奥行きはあるので雨風はしのげそうだ。ただ対照的にホームは狭く、その上大きく反っているので、列車に乗車する際には注意が必要だと思われる。

 一通り観察を済ませると、今度は1駅隣の宮田駅へ向かって歩き始める。駅前の交通量の多い国道から、鉄路の太田切川橋梁が見えた。晴れた冬の日だったら、中央アルプスに雪が積もった姿を見られるのかな…駅訪問旅において駅自体が興味深いのはもちろんだが、その道中に隠れた魅力を見つけ出せたりもする。

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