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【飯田線各駅訪問】41 伊那小沢駅
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何もない、だけどずっと佇んでいたい
信州に春を伝える伊那小沢駅。沿線民や地元民、私のような鉄道愛好家で無くとも、信州にはこの駅名を知っている人が少なからずいるだろう。そう、当駅の構内に植えられている「河津桜」は、長野県内で最も早く咲くカンザクラとして、毎年ニュースで報道されるのである。
しかし、その実態を知っている人はそのうちの幾らであろうか。1日あたりの利用者数は片手でも数え切れてしまう程度で、だからといって高レベルな秘境駅であるわけでもなく、極めて地味な存在と言える。当然ながら駅周囲には店の類は一切なく、自販機すらも存在しないため、何も知らずにやってきた人が暇を持て余すことは確実だろう。
しかし、そんな時こそ少し休んで、ゆったりとしていって欲しい。天竜川の音を聞きながら駅の周囲を散歩すれば、自然と晴ればれした気持ちになれるだろう。そして、駅からも目立つ存在となっている“水神橋”から駅の方を振り返ってみれば、そこには誰もが息を呑むであろう素晴らしい景色がある。もうこの場所を離れたくない。ずっと天竜川の流れを見つめ、風を感じていたい。都会で日々のストレスばかりに追われている人間たちの、本当に安らぐことのできる場所が、ここにはある。
今回の駅訪問旅において、私は目的地としてこの駅を選んだ。列車を降りると、狭い急斜地でありながらも2面2線の構内が展開されていることの美しさに圧倒させられる。列車が去ると静寂が訪れ、天竜川の流れだけが永遠と響いていた。さぁ、散策を始めよう! 駅前から遠くの対岸にまで、人家がごくまばらに点在している。こんな場所に住んでみたいものだ…。日々の出来事などすべて忘れて、ずっとここにいたいと感じさせる、そんな素晴らしい駅であった。ひと通り散策を済ませると、今度は駅上方の道を進み眼下に駅や天竜川を眺めながら、隣の鶯巣駅へ向けて歩き出した。道は登りのはずだが、一切、苦にはならなかった。いや、むしろこの駅を去らなければならないこと自体を、残念だと感じたのであった…。
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