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【飯田線各駅訪問】50 千代駅
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忘れられゆく路線の基盤
飯田線でも主要駅である天竜峡駅を出発した列車は、いきなり現れるトンネルに吸い込まれる。しばらくしてトンネルを抜けると、その先は橋梁がすぐに続く。眼下には天竜川が広がり、付近に人家は見えなくなった。やがて列車は減速し、この駅に止まった。ドアボタンを押すのは私だけ。車掌さんは、この駅では誰も降りないだろうと油断していたに違いない(笑)。
私がホームに足を下すと程なくして列車が発車していった。その山々へ響く音がやがて聞こえなくなると、すっかりと静かな空気に包まれた。
ここは飯田市の千代駅という小さな駅だ。所在地は長野県飯田市の千代地区なのだが、地区の中心部からは5km以上も離れている。駅からの出入り口は2箇所あるがどちらの道も屈曲しており、外部からの到達は決して容易ではない。
それでも当駅からも木々の向こうに見える高速道路「三遠南信自動車道」が建設されたことにより、当駅付近一帯へのアクセスは容易になってきてはいる。しかし、それは決して良いだけのことではない。自動車道が整備されれば人々はますます鉄道から遠ざかっていくのだろう。
当駅の天竜峡駅寄りのトンネルの脇には、今も「砂利ホッパートンネル」の跡が残る。かつては天竜川から砂利を汲み上げ、トンネルの上にある穴からトンネル内の無蓋貨車に砂利を積み込んだ。砂利を乗せた貨車は飯田線の他の区間へ送られ、そこでの建設に役立ったのであろう。
駅で列車を待っていると、1人の地元老人がやってきて「秘境駅へようこそ!」と言われてしまった。私を歓迎するつもりでそのようにおっしゃられたのだろうが、地元民からも「秘境駅」の言葉が出たからには、やはりここは秘境だということで間違いは無いだろう。
かつて砂利を汲み出していたそんな「路線の基盤」とも言えるこの駅だが、将来は明るくない。残念だがこの地域の未来も、駅に似たようなものになっていく気がする…。
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下段には“そらさんぽ天龍峡”という遊歩道があり、そこからこの付近を見渡せる。
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訪問日:
2023年10月28日