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【飯田線各駅訪問】92 伊那新町駅
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このあたりでは珍しい、1面2線の駅
ここは「ど真ん中町」で知られる、長野県上伊那郡辰野町にある「伊那新町」という駅。飯田線にある数々の「伊那◯◯駅」の中で、ついにここが最北となる。
駅は並走する国道からは少し入り組んだところにあり、「新町」を名乗っておきながらも少し昔懐かしい雰囲気がある街並みなようである。当駅は開業当初は「三州街道」の上を走る路面電車の駅だったので、確かに斬「新」だったのかもしれない。駅の背後側は田畑が広がっている。
さて、飯田線は当初、4つの私鉄であったことをご存じだろうか。南から順に「豊川鉄道」「鳳来寺鉄道」「三信電気鉄道」そして「伊那電気鉄道」である。このうち、天竜峡〜辰野までの区間である「旧伊那電気鉄道区間」において、この駅は唯一の1面2線の駅なのである。端的に言えば、「1面2線の駅はこの付近ではかなり珍しい」というわけだ。
そんな珍しい駅構造になったのには理由がある。元は列車本数があまり多くなかったが、高度経済成長の進む昭和中期頃に列車本数が増発された。そのため単線の飯田線は列車交換駅を新しく作ることが必要とされ、単線駅であった当駅が複線化されたのである。その際、元のホームに対向する形で新しくホームを作るのではなく、元のホームを島式化して両面を使うようになった。こうして「1面2線駅」が出来上がったのである。
私はこの駅自体に訪問したことはないものの、列車で通過したことがある。隣駅の羽場〜当駅までの間は、国道に沿うように田畑の中を進む。しばらくして前方に人家が増えてくると、その中に島式の構内が見えた。駅に着くが、当駅では列車交換は行われず、すぐに発車してしまう。駅の写真をあまり撮れないまま進んで行ってしまい、やはり実際にホーム上に立って駅を「訪問」しないとなんだ、と思わされた。
この1面2線の特殊な駅は、まだまだ見足りなすぎる。もっと見て、もっと知りたい! 私の駅訪問への意欲は、まだまだ尽きそうにない…。
※再訪の予定がありますので、達成次第追記致します。
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再訪日記
「上伊那北部駅訪問旅」として、長野県の上伊那地区北部の各駅を訪問した駅訪問旅。宮木駅から当駅までは徒歩で移動し、車通りの少なさそうな生活道路を選んだ。しかしそのせいで道に迷ってしまい、時間は経っていってしまう。今回はスマートフォンを写真撮影以外では使用しないない「脱スマホ主義」なので、地図も使わない(謎)。道の見当がなんとなくついたのでその道を急いで行ってみると、その先に駅へ続くであろう分かれ道が見える。さて、どれだけ時間をロスしてしまったか…そんな心配は杞憂に終わり、駅に到着した時には列車発車時刻の30分以上も前。結局のところ十分に訪問時間をとれたのである。
ただ予想外だったのは、この駅が結構 意外な表情をしていたことだ。以前に当駅を列車で通過したときに駅舎がほんの一瞬見えたが白っぽいようで、駅周辺に田畑が広がっているなど、長閑なイメージがあった。さらに「新町」という駅名と相まって、勝手に明るい駅なんだと思っていたのである。
しかし実際に駅舎内へ入ってみると、鉄筋コンクリート造りのどんよりした雰囲気で、かなり不気味だ。午前中の訪問だったので大したことはなかったが、夜だったら近づきたくない。さらに、田舎育ちの私でさえも驚くほどの巨大なジョロウグモが空中をふわふわ舞っていた。そんな駅に好感を抱く人もそう多くはないのでは…と感じるのだが、それとは対照的に、駅周辺は広々とした雰囲気だ。
田畑が遠くまで広がり、野菜だけでなく美しい花々も花々も育てられている。駅前の「農耕車優先」と書かれた道路をトラクターがコトコトと進んでいく。そして農作業中の人々の声が響きわたる。駅の周りの環境は、そんなとても長閑なところだ。
駅周辺を散策していると、やがて踏切の音が鳴り出し上り列車がやってくる。私はそれに乗り込み、この駅を後にした。不気味な駅から“脱出”できた安心感と、長閑な地を出発しなければならない残念さが混ざって、なんだか不思議な気持ちになっていた…。