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【飯田線各駅訪問】68 伊那大島駅

松川町・伊那大島駅。開業時からの木造駅舎が大切に使われている。
南アルプスを臨むホーム。2番線には扉付きの待合室がある。
伊那谷における登山の拠点として、駅には安全を祈願する看板も。

南アルプス登山の拠点

 ここは長野県下伊那郡松川町の中心部にある、伊那大島という駅。松川町といったら、地域では果樹栽培で有名である。飯田線にも貨物列車が走っていた頃は、当駅で大量の梨が列車に積まれて運ばれて行ったと言う。今でもあちこちで農園が見られる、長閑な町。そんな町の中心駅は、当駅止まりの列車も運行されるようないわゆる“主要駅”である。
 また、この駅は南アルプス登山の拠点にもなっている。駅から東方に見える、標高3,048mの塩見岳をはじめとした山々を目指す登山家たちが、当駅を利用する光景も珍しくない。

 さて、この伊那大島駅へは、私の自宅からギリギリ歩いて行ける程度の距離であるため敢えて列車で訪問する機会はなかった。しかし他記事でも書いてあるよう、私は高校の部活動で登山をやっている。このページの伊那大島駅の写真は、私の山岳班の仲間が山登りの帰りに撮影し、私に提供してくれたものである。(感謝)
 それでも私はこの駅を列車で通過したことは幾度となくあるし、写真こそないものの以前に訪問したことだってあるので、多少は語れることがあると思う。

 駅は天竜川によって作られた段丘面にあり、町の中心地にあるといえど、地形が妙に急峻である。そんな環境であるにも関わらず駅の上片桐方(北側)には電留線があり、当駅で停泊する列車のための備えも整っている。さらに、開業当初からの木造駅舎が健在だ。外壁が何度か改修されているようだが、道路側に向けられた味のある駅名看板も含め、駅舎自体はずっと受け継がれているようである。

 そんな駅をもう一度この目で見ておきたい…と思いながらも、自宅から歩いて行き帰りするにはちょっと無理しないとできないくらいの距離にあるこの駅。機会があればいつでも行きたい、そんな「とっておき」の存在である。

※再訪の予定がありますので、達成できましたら追記する予定です。

(写真:はたはたさん)

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