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未成年の主張〜行きたくても行けない秘境駅〜

 自己紹介でも書いてあるけど、俺は長野県在住、高校生の鉄道ファンです。そろそろ夏休みが終わり、学校が始まる。夏休みの思い出…う〜ん、結局は家でゴロゴロしちゃうのが夏休みなんだよね。せっかくの休みなのにもったいない。
 鉄道の中でも特に、秘境駅が好きです。地元の飯田線をはじめ、全国の秘境駅を愛してる。でも、でもね。秘境駅って、悲しい運命の駅なんだよ。今にも無くなりそうな駅、の代名詞。行くにしたら早めに行っておいたほうが良かったのに。夏休みにどこかにでも行ければ良かったって、今更ながら思う。

 ん?ニュースが入ってきてる。「抜海駅廃止へ」。なんだと? おいおい、抜海無くなっちゃうのかよ!俺がいちばん好きな秘境駅だったのに。抜海駅のステッカー買って大切に保管してるのに。超悲しい。ニュースのコメント欄を見ていると、どれも廃止に肯定的な意見ばっかり。中には、「存続を望むんなら自分たちで金払って存続させろ」なんて言う人も。いやぁ、あのさ。俺、高校生なんですけど。しかも俺の高校はバイト禁止。所持金は全部親からのお小遣いだし、それも周りの友達に驚かれるほど少ない。その僅かな金を抜海駅のために払うなんて俺にはできな…いや、できる。できるよ。抜海のためならお金払います。ほっんとうに微々たるものだけど。維持管理費に100万円だっけ。じゃぁその5000分の1くらいなら寄付できるよ。俺の今の所持金そんぐらい。でも、たった200円のお金を全国の鉄道ファン5000人が払えば、存続できるんだよ!ねぇ、どうして抜海は廃止されることになっちゃうの…?おかしくない?!

 でも、しょうがないことだとは思う。廃止されそうな駅にお金費やして無理に存続しようとしたところで、「健康寿命」を過ぎているのに無理やり存命させられてるお年寄りと同じなんだよね。なんだか虚しい。“廃止”という運命をねじ曲げたところで、良い方へは向かっていかない。その場はしのげても、結局は無くなっていくんだよ。

 だから、今の俺にできることって、消えそうな駅の“最期”を見届けることぐらいだと思うんだよね。廃止される前に行っておきたい。親に相談してみる。
「北海道行きたいんだけど…」
「はい?そんなの、大学生か社会人になってから行きなさい」
「いや、今年度末で廃止される秘境駅があってさ」
「最近北海道はヒグマが多いらしいよ。そんなところいかないほうがいいよ」
 まるで相手にされない。まぁ当たり前だよ。廃止寸前の駅に行くために数万払って北海道行くなんて、馬鹿馬鹿しいもん、一般人から見たらね。
 じゃぁーどーすればいーんだよー!!
 結局は無理やん。無理ゲーだよ。抜海駅行くのは諦めるしかなさそう。
 秘境駅って、行くのが大変なんだよ。だからこその秘境駅なんだけど、そのせいでなかなか行けない。こうやって近年多くの秘境駅が続け様に消えていく中で、ついに俺の好きだった抜海駅も廃止されることになってしまった。俺が「大学生か社会人」になるまでに、どれぐらいの駅が耐え忍んでくれているか。いや、もう無理でしょ。全部消えるよ、きっと。悲しい。

 抜海が消えるとは言え、他にもまだまだ魅力ある駅は残ってる。俺が好きなのは雄信内駅。抜海も良いけど、雄信内の寂寥感はすごいって聞いたことがある。
 って、えぇぇぇぇぇ!!!、「雄信内駅、来春のダイヤ改正で廃止へ」おーいーーー。どうしたんだよ幌延町ぅ…、幌延町は秘境駅を観光資源として活かすって聞いてたから、雄信内は安泰だと思ってたのにぃぃ…。もうやだなぁ。どこも残らない。全部消えるよ。存続するって言ってても、結局はすぐ消えるんだよ。悲し

 でもその点、飯田線ってJR東海が運営してるからマシなんだよね。飯田線なら、たぶん、もうしばらくは残っててくれるよ。だから俺は、そんな飯田線の沿線に住んでて良かったと思う。
 どのローカル線も、存続してて欲しい。でもそれって、あくまでも理想。現実ってそう甘くない。飯田線だっていつかは消えるってこと?まさかそんなこと、…やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…

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