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【飯田線各駅訪問】51 天竜峡駅

駅舎の形はいかにも観光地を思わせる。駅員配置駅で設備も広く、当駅止まりの列車も多数運行されている。
2面2線構造に、豊橋方面への発着用の3番線を加えた2面3線の駅。跨線橋はなく、構内踏切で連絡されている。
ここも上吊り式の駅名標。当駅は定期利用者もやや多いが、それより観光目的としての需要が高い。

魅力溢れる観光駅

 飯田線沿線では有数の観光地、名勝・天龍峡への最寄り駅(駅名は天『竜』峡)。駅舎の形もいかにも観光地と思わせるモダンな作りだが、これは昭和初期のものではない。平成の時代に過去の雰囲気を取り留めながら作られた、意外と新しいものだ。その完成度の高さが仇となってせっかくの「新」駅舎もそれほど新しくは見えないというのも何だか皮肉な話だが、駅員配置駅である上に利用客も多いので細かいところはじっくりと観察できないのが残念だ。
 さて、この天竜峡駅はなかなか面白い駅だ。まず鉄道ファンの方ならすぐ気づくと思われるが、駅舎の向きが線路と同じ面なのだ。何せ、上の写真にあるように正面からの駅舎と停車中の列車が同時にカメラに写せるのだからなかなか面白い。
 さらにこの天竜峡駅、駅のホームの終端のすぐ目の前に車道用の踏切がある。だから、列車のオーバーラン対策のために、この踏切は上り列車が天竜峡駅に停車する際も一度踏切が閉まる。その後、この列車が天竜峡駅を発車する間際になると再び踏切が閉められ、列車が発車していくのだ。
 何も感じなければ単なるモダンな観光駅に過ぎない当駅も、実は魅力に溢れているのだ。もし当駅を訪れたならば、ホーム上の天竜峡ライン下りのモニュメントばかりでなくこうした細かいところも見てほしい。例えどんな小さなことでも、新たな発見はそこから始まるのだから。

2024.02

訪問日:
2023年10月28日
2023年11月12日
2024年01月01日
2024年01月12日
2024年03月17日

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